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首都に到着してすぐに私は手紙を書き、旦那様の手である方に手紙を送ってもらった。



その方はグランドール辺境伯爵家の執事として働いているそうだ。
実家は平民であるが、奨学金で学校に入学し、卒業まで主席を守り抜いた後にグランドール辺境伯爵家の執事長にその才能を見込まれたとか。


大変真面目で、当主様からも気に入られているとか。
ただ、辺境地で原因不明の事故が多発したことにより調査に向かい。

その後も領地代行を行っていることから多忙だった。
現在は感染病の対応に追われ、一時は自身も感染している可能性があるので帰れなかったとか。



サンディ様が頻繁に実家に戻っていたのも長らく夫が不在で一人で育児をするのが負担になったと考えられるが、嫁ぎ先の実家に同居していると聞いていた。


ただ、お姑様が厳しい方で虐められていると聞いたけど。


「その虐めという表現が間違いという可能性もある」

「え?」

「まぁ、私が知る限り彼女は少しばかり思い込みが激しい…」

「正直に勘違い女だと言ってあげればいいではありませんか。あんな人と話があうお姑さんはいませんわ」


スパっと切るお嬢様に私もそうなのかも?なんて思ってしまう。

だけど、あの方はシンパシー夫人同様に遠慮がない。
そして自分の考えに共感できない人間は排除という考えがある。


泣いて我儘を押し通すシンパシー夫人。

笑顔で自分の考えは間違っていない。
意に添わなければ無理やりにでも自分の思い通りにさせようとする感じがする。


「そもそも、嫁姑の関係が最初からいいわけがない。少しずつすり合わせないとならないだろう」

「最初から自分の考えを押し付けていたんではありませんの?それで関係が悪くなったとしても自業自得…というか、グレイス様も似たような事を言っていた気が」


「グレイス様ですか…」


そういえばお嫁さんとの関係で悩んでいるようだったけど、あれからどうなったかしら。

何所に住んでいらっしゃるか解らないから相談もできないわ。


「ではとりあえず、その方にアポを取れるかどうか試そう。手紙を書き、状況を説明しよう」

「忙しいですわ。夜には大叔父様と食事会ですのよ」

「はい?」


食事会?
そんな話は聞いていないわ!


「えっとお邸でお茶をすると…」

「お茶をした後に邸の庭園でバーベキューをするようで」


一体どんな食事会なのか不安を抱くことになるのだが。



「ほーっほっほっ!固くなるでない。まぁまずはこのサーモンの皮を食すが良い」



噂とは大変恐ろしいものだった。

英雄皇帝とよばれ、生まれながらの皇帝。
政治の神。

覇王等とも呼ばれている先帝陛下は。


なんというか陽気なおじいさんだった。


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