今日で都合の良い嫁は辞めます!後は家族で仲良くしてください!

ユウ

文字の大きさ
上 下
11 / 169

11

しおりを挟む




夜遅くの時間。
玄関で物音が大きな門の音が消える。


「ただいま!」

「リサ!」


疲れて眠ってしまった私は物音で目を覚ます。
腕の中にはすやすや眠っているミレイに安堵する。


「遅かったですね。もう遅いので声を小さくしてくださいませんか」

「ごめんなさいね。久しぶりだったからつい」

「仕方ないわ。貴女は同居もしてストレスが溜まっているでしょ?あちらのお姑さんは色々と堅苦しいと聞いているし」


それをここでいうのか。
何とも言えない気持ちになるのだけど、とりあえずミレイを預けようとした。

「今は眠ってますので…私はこれで」

「私お風呂に入りたいわ」

「そうね。少し汗をかいたから。リサさん着替えの用意と、部屋を冷やしてくれる?」

「解りました…」


疲れている私はとりあえず従った。
とにかく休みたかったのだ。

「準備をしてきますので。ミレイちゃんをお願いねロンド?」

「え?何で僕が?リサが連れていけばいいだろ?」

「背負ったままでは危ないでしょう?眠っているし大丈夫でしょう?」

「無理だって。その間泣いたらどうするんだよ」


泣いたらあやせばいいのにと思ったけど、言葉を飲み込む。

「これも練習になるわよリサちゃん」

「解りました」

義姉はまた練習という言葉を使い義両親はうんうんと頷いていた。

…が。


「ほぎゃぁぁぁぁ!」

ロンドにミレイを預けた瞬間泣き出した。
抱き方が悪かったのが大暴れして手足をバタバタさせる。


「ロンド!ちゃんと首を支えて!危ないわ」

「そんなこと言って…わぁぁぁ!」

抱き方に慣れていないにしても子供と接したことがないわけではない。
なのにこの抱き方はどうなのかと思う中ミレイは暴れながらロンドの顔を叩き、おもらしをした。


しかもタイミングが悪い事に。


「大変、早く交換を」

「母さんしてよ。私は毎日しているのよ?実家でもなんて嫌よ…リサさんお風呂を」

「私は腰が」

「私も…」


そう言いながら視線を向ける先は。

「リサ!なんとかしてくれ。汚い!」

「うわぁぁぁん!」


赤ん坊だから言葉を理解することはできなくても察することはできるんじゃないか。

ミレイが更に泣き出し暴れまわるので玄関先でとんでもない事態に。


「ロンドが変えてよ。責任取って」

「嫌だよ。どうするんだよ…リサ!お前の所為だぞ」


「すぐにおむつを交換します」

「その前にこの匂いをなんとかしろ」


ミレイを預かるも動こうともしないロンドは支持だけを下し、誰も動こうともんしなかった。

急いでおむつを替えた後は抱っこ紐を使いミレイを前だきしながら入浴の準備をしながら世話しなく働き、その後も彼らのお世話をしなくてはならずようやく眠れたのは真夜中だったが、その間も夜泣きをしたので夜通し起きていなくてはならなくなった。


その後朝食の準備をしながらミレイのお世話をして気の休まる暇がなかった。





しおりを挟む
感想 452

あなたにおすすめの小説

自分勝手な側妃を見習えとおっしゃったのですから、わたくしの望む未来を手にすると決めました。

Mayoi
恋愛
国王キングズリーの寵愛を受ける側妃メラニー。 二人から見下される正妃クローディア。 正妃として国王に苦言を呈すれば嫉妬だと言われ、逆に側妃を見習うように言わる始末。 国王であるキングズリーがそう言ったのだからクローディアも決心する。 クローディアは自らの望む未来を手にすべく、密かに手を回す。

皆さん勘違いなさっているようですが、この家の当主はわたしです。

和泉 凪紗
恋愛
侯爵家の後継者であるリアーネは父親に呼びされる。 「次期当主はエリザベスにしようと思う」 父親は腹違いの姉であるエリザベスを次期当主に指名してきた。理由はリアーネの婚約者であるリンハルトがエリザベスと結婚するから。 リンハルトは侯爵家に婿に入ることになっていた。 「エリザベスとリンハルト殿が一緒になりたいそうだ。エリザベスはちょうど適齢期だし、二人が思い合っているなら結婚させたい。急に婚約者がいなくなってリアーネも不安だろうが、適齢期までまだ時間はある。お前にふさわしい結婚相手を見つけるから安心しなさい。エリザベスの結婚が決まったのだ。こんなにめでたいことはないだろう?」 破談になってめでたいことなんてないと思いますけど?  婚約破棄になるのは構いませんが、この家を渡すつもりはありません。

側妃契約は満了しました。

夢草 蝶
恋愛
 婚約者である王太子から、別の女性を正妃にするから、側妃となって自分達の仕事をしろ。  そのような申し出を受け入れてから、五年の時が経ちました。

だってお義姉様が

砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。 ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると…… 他サイトでも掲載中。

離婚したらどうなるのか理解していない夫に、笑顔で離婚を告げました。

Mayoi
恋愛
実家の財政事情が悪化したことでマティルダは夫のクレイグに相談を持ち掛けた。 ところがクレイグは過剰に反応し、利用価値がなくなったからと離婚すると言い出した。 なぜ財政事情が悪化していたのか、マティルダの実家を失うことが何を意味するのか、クレイグは何も知らなかった。

平民の娘だから婚約者を譲れって? 別にいいですけど本当によろしいのですか?

和泉 凪紗
恋愛
「お父様。私、アルフレッド様と結婚したいです。お姉様より私の方がお似合いだと思いませんか?」  腹違いの妹のマリアは私の婚約者と結婚したいそうだ。私は平民の娘だから譲るのが当然らしい。  マリアと義母は私のことを『平民の娘』だといつも見下し、嫌がらせばかり。  婚約者には何の思い入れもないので別にいいですけど、本当によろしいのですか?    

完結 若い愛人がいる?それは良かったです。

音爽(ネソウ)
恋愛
妻が余命宣告を受けた、愛人を抱える夫は小躍りするのだが……

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

処理中です...