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しおりを挟むテーブルに並ぶ豪華な食事に笑い声が聞こえる中。
その中心にいる美しい女性。
「本当に大変ね」
「サンディは本当によく頑張っている」
「姉さんはエリートだからな」
家族の中心にいるのは数年前に嫁いだ義姉だ。
昔から優秀で美人で学生時代はマドンナ的な存在でその優秀さを生かして文官秘書と言う仕事についたそうだが、一年前に子供を授かり一時期は育児休暇を取ったそうだ。
今は仕事を制限しながら働いているのだが。
「義母があれはダメ、これはダメって言うのよ」
「本当に困ったお姑さんね」
「その点、リサさんはいいわね。母さんはそんなこといわないもの」
「当然だ。うちは円満だ」
「リサは幸せ者だよな!母さんが姑だし・・食事だって文句言わないし。姉さんに比べれば楽勝だよな」
お酒が入っていることもあり、いつもよりも饒舌だった。
「ちょっと、ロンド」
「本当のことだって!家庭教師なんて言っても我儘お嬢様のご機嫌取りだしな!」
「まぁ、王宮勤めの秘書官と比べるまでもないだろ」
舅も一緒に酔いながら口にする言葉。
相手は酔っぱらっていたのか、普段はこんなことは言わない。
「二人共止めなさい。ごめんなさいねリサさん」
「いえ…お義姉さんは優秀ですものね」
「そうなのよ。この子は本当に自慢の娘だもの。実家にも頻繁に帰ってきて欲しいのに…そうだわ。来週からしばらく休みが取れるんでしょ?しばらくいないさい」
「いいの母さん」
「何を言うの。ここは貴女の家よ。孫は私達に任せて羽を伸ばさないと!」
笑顔で言う義母に私は心から歓迎できなかった。
何故ならここ最近私は休みなく働き、義姉が滞在する間も気が休まらないのだから。
「そうね!じゃあお願いするわ…あ、ミレイが」
「いいよ姉さん。リサ、察しろよ」
「ごめんなさい」
給仕をしている私に早くあやす様に言われ、急いであやそうとするも。
「リサさん、お酒の代わりもお願いできる?」
「なんだ?つまみが足りんぞ」
「リサさん。お酒の追加を取りに行ってくれる」
三人分の追加のお酒は離れに保管している。
今は手が離せないのにどうしたらいいのかと思う中。
「この子抱っこをしないと泣きやまないのよ」
「いいわよ。それならおんぶしたまま行けばいいわ」
「そうだぞ。子供ができたらこれぐらい一人でできないといけないんだからな!しっかりしろよ」
まるで皆して私をダメ嫁だと責めているように聞こえる。
お酒で酔っているので気が大きくなっている夫に、怒りたくなるけど楽しい席を台無しにしてはいけないと思い言葉を飲み込んだ。
我慢しないと。
普段は優しく良くしてくれるのだからと我慢した。
義両親との同居は互いの気遣いと言っていたし、今は義姉が帰ってきているから少し浮かれているんだと思った。
だけど、義母の言葉通り義姉が週末以外も滞在するようになり私の地獄の日々が続くようになるのだった。
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