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第一章
139転落した自称お姫様⑩
しおりを挟むすべては絵空事。
フリーシアが再びお姫様に戻ることはできるはずもない。
「貴族令嬢が一度復縁した相手と復縁するというのどういうものを意味しているか理解しておらぬようだな!」
「どういうことよ」
「しかも相手が平民であるならば脅迫して無理やり婚姻を迫った浅ましい女というレッテルが一生つきまとうだろう」
「なっ…」
何所の国でも復縁とはそれだけ重かった。
余程の事情がない限り不名誉な噂が流れ一生後ろ指をさされるだろう。
「王命であるならまだしも、アスランは愛していない女、しかも利用価値がまるでない女を妻にせぬわ!あれが骨の髄まで受けに忠義を誓っている…だからこそお前との婚約も屈辱であれど礎になるつもりだったのだから」
「礎…」
「ああ、頭の悪いお前には解らぬか?国の為に死ぬということだ。死ぬよりも惨い仕打ちだな。汚らわしい女と結婚とはな」
ここぞと言うばかりにフリーシアを侮辱し汚らわしいを連発する。
「うっ…うわぁぁぁぁ!」
耐え切れなくなったフリーシアはユズリハに飛びかかろうとするも。
「甘いわ!」
懐あら鞭を取り出し、フリーシアの顔を叩きつける。
「痛い!」
「馬鹿な女よ。知性もない、地位もない、信頼もない」
「やめ…」
「そのうえ、依存するしかできない。娼婦でも自分の考えを持てるというにな」
娼婦が汚らわし存在だと思われているが、彼女達も望んで体を売るわけではない。
「我が国では娼婦制度を禁じられていますが他国では家族を守る為に体を売り命がけで働いている。しかしお前は誰かに頼り依存する寄生虫でしかない…つくづく救えぬ女よ」
「私は寄生虫じゃない!」
「だったら何故自分の力で生きればいい。だがしなかった」
「当然でしょ!何で私がそんなことをしないといけないの?私は貴族よ?働くなんて嫌よ」
「何所までも頭がおかしい女だ。だったら自分を養ってくれる男を探すがいい…が、罪人のお前達はまず牢屋息だろうがな」
「牢屋?」
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「違う…私達は悪くない!そうだ、あの男が先に持ち掛けたんだ…そうだ!」
この期に及んで言い訳を繰り返すが既に証拠は揃っている。
何より三人は気づいていない。
すぐに近づく足音に。
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