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第一章

131転落した自称お姫様②

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国によっては上流階級の人間かどうかの判断は異なる。
しかし、今のフリーシアの服装はどう考えても貴族や商人ん娘には見えない。


「なんて育ちの悪い娘だ」

「何ですって?」

「貧民街の娘でもここまでひどくないぞ。どんな教育を受けているんだ」



マリンシア王国では奴隷制度は廃止されている。
貧民街の子供は多くいるがフリーシアのようなヒステリックに叫ぶような真似はしない。


「孤児の子供でも必要最低限のマナーがあるぞ」

「何だどうした?」

「喧嘩か?」


騒動に気づき港で働く水軍ギルドが集まってくる。


「こいつらゴロツキだ」


「本当だ。にしても酷い匂いだな」

「汚い服だな…どこぞの移民というわけではなさそうだな」



集まって来た水軍ギルドはフリーシアを見て蔑んだ目を向ける。
ここらの港をの治安を守っているのは彼らギルドだった為にトラブルが起きたら水軍ギルドに連絡することになっていた。



「貴様ら!この港で騒ぎを起こすとは何事だ」

「他国の人間か。場合によっては強制送還だ!」


「何所のもんだ!」



現れたのは体格が良く強面の男達だ。
最初こそ、強気に出るフリーシアは命令口調で言い放つ。


「無礼者!私は貴族の娘よ!格下の民草が!」

「あ?頭も悪いと来たか。これ、娼婦にしては馬鹿すぎるな」


「自称貴族か…そういえば以前にも似たような自称お姫様がいたよな」

「ああ。隣国の伯爵令嬢とかいう女だろ?マナーもなく、国王陛下の側近に無礼を働いた頭が空っぽの女…」


水軍ギルド達の中には数年前まで王宮に仕えていた者もいる。
国内でも屈指の操縦士ともいわれら者も複数おり、船を出す際に派遣される事も多かった。



「ああ、いたな…確か隣国がどうしてもと言われて見合いを受けたというのにあの勘違い女」


「貴族ってだけでさも自分は偉いといいたげだったな。アスラン様がすき好んだあんな馬鹿な女と婚約するわけないだろ?」

「ガハハ!本当に破談になって良かったな…まぁ、約束をすっぽかしたりと、侮辱されたのはむかついたが」


「けどよ、今は新たな奥方を迎えられて良かったな。前のあの女と比べれば女神だろ?器量よし、性格よし、聡明だしな」

「ああ、貴族だとひけらかすしかない空虚な女なんてな?」

「俺は金摘まれても御免だぜ」

「本当にな!」


言いたい放題の水軍ギルドにフリーシアは耐え切れなかった。


「この私を…」


声を荒げようとしたが…


「だが、あの女も二度とこの国に足を踏みいれないだろ?」

「だな?かかあが今度姿を見せたら殺すって言ってたしな」



自分が誰か言うことはできなくなった。


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