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第一章
128退散
しおりを挟む翌日、王都日報では号外が発行された。
貴族だけでなく平民も注目した。
『号外!悪の極みの男』
『私利私欲の為にすべてを壊した男』
『背後に貴族派の影あり!』
国内に留まらず他国にもこの新聞は話題となった。
何故なら背後に貴族派の筆頭が潜んでいただけではなくアクアシア王国の一部の貴族も関わっていた。
とは言え、暴力的な政治を行った後に追放になった貴族が勝手にしたことだった。
心ある貴族、官僚はアクアシア王国の王家を庇い、罪に問うのは明らかとだ表明した。
『重罪人カーサ・フェストに裁きを』
『最大の悪女フリーシア・エレフェスタの暴走』
この二人に対する悪意は国内だけでなく、国外にも広まった。
特にカーサは元婚約者であるグレーテルに復縁を迫り、話し合いをしたいといいながら麻薬を使って手籠めにしようとした罪は重罪だった。
ただし被害者であるグレーテルは罪を償うことを願い、死刑は免れた。
ただし、罪を本当の意味で償わせるためには牢屋に入れるだけでは甘いと判断された。
その昔では無期懲役は重いとされていたが、現在異なる。
塀の中は食事に住む場所があり、ある意味安全地帯だったのだ。
他国では無銭飲食ができるからわざと罪を犯す者がいるので重い刑罰にならないのだ。
故に、牢獄にいるのは半年間でその後は辺境地にて最も厳しい土地で奴隷並みの生活をすることを命じたのだ。
「すべて終わりましたね」
「ああ、まだ物足りないが」
これでもうあの二人は一生日陰で生きるしかない。
「だが生ぬるさを感じる」
「前世ならば晒し首ですから」
罪人は容赦なく打ち首にされるのだろうが、国の常識が異なるのだから。
「東の国では打ち首、火炙りだそうだがな」
「まぁ…あるでしょうけど」
けれどこれで安心して国に帰れる。
万一あの二人を野放しにしていたらまた第三勢力に利用させる可能性もあるのだから。
「ただ唯一感謝してもいいのは、我が国の馬鹿を一網打尽にできたことだ」
「まぁ…」
マリンシア王国の貴族派の連中だ。
アスランの失脚を狙い、尚且つ王権を奪おうとしているのは前々から知っていた。
フリーシアとの見合いを押したのもより馬鹿な女を選んだと言える。
だが彼らの目論見はすべて壊れたのだが、アスランに新たな婚約者がいない事で王宮で良くない噂を流していたが。
結果的に加護持ちの隣国の貴族令嬢。
しかも先代国王との深い関りのある貴族令嬢を婚約者に迎え、尚且つ王妃陛下のお気に入りの侍女だった事で立場は逆転した。
ある意味、カーサとフリーシアを生贄にできたのだから。
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