君は優しいからと言われ浮気を正当化しておきながら今更復縁なんて認めません

ユウ

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第一章

127突入

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乱暴に扉が開き、数名の警備隊に騎士に。
もうひと一組別の部隊が突入した。



「違法薬物売買をした罪で捕縛する!」


彼らは違法薬物を取り締まる団体だった。
この度の作戦の為に協力を頼み、元現行犯としてカーサを捕らえる為に待機してもらった。


「カーサ・フェスト。貴様の悪事はもう明らかだ。ここで現行犯逮捕してくれるわ!」

「お前の両親も闇ギルドの店で麻薬で溺れている。親子一緒に牢に入れてくれる!」

「簡単に娑婆の空気を吸えると思うなよ!」

令状を突きつけ既に逃げ場はなかった。
本人も床に這いつくばる状況で逃げることはできないのだが。


「グレーテル…貴様ぁ!」

それでもグレーテルを睨み恨み言を言う元気はしっかりとあるようだが、それが命取りとなる。

「このクソ女がぁ!この俺が甘い顔をしていれば調子に乗りやがって貴様のようなブスを妻にしてやると言っているんだ!なのに断りやがって…お前なんてまともな男が相手をするものか!この…」


罵倒を浴びせ続けるも影が忍び寄る。


「おい…」

引く声が響き渡る。


「てめぇ、人の女房に好き勝手言ってんじゃねぇぞ」


「ぶふぅ!」

アスランは顔を手で鷲掴みをして床にスライドをした。


「やめっ…」

「天井から見ていたが、お前、人様の女房に好き放題していたそうだな。揃って恥知らずな奴め」

「アスラン?揃ってとは?」

「こいつの愛人だ。あのあばずれ伯爵令嬢だ」

「あばずれ?」


アスランは冷たい表情で言い放つ。

「この男の愛人だ」

「愛人?」

「フリーシア・エレフェスタだ」

「何だと…」

力なくも声を上げたカーサは絶句した。


「あの女は数年前に国同士の利益の為に私と婚約してその日に不貞行為を働き陛下を侮辱したのだ」

「なんだって…」

「まぁ、過去の事はいい。だが先日我が国に不法侵入した後に俺との婚約を復縁してやると触れ回ったそうだ。さすがお似合いのカップルだな」

「俺は知らない!」

「記憶にございませんなんて言葉が通ると思うなよ」


婚約を破棄しても関係ない。
社交界ではフリーシアとカーサが未だに関係が切れていないと思う者もいる。

平民となっただけならば噂は消えるだろうが、未だに問題を起こし続ける元貴族のカーサに、落ちぶれた貴族が隣国に押しかけるような真似をしては噂になるのだ。


「これでお前は重罪人だ」

「まっ…」

カーサの言葉を聞くこともなくそのまま地面に顔を摺り寄せさせ一言告げる。

「貴様には臭い飯がお似合いだ」

まさに鬼の一言だった。



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