君は優しいからと言われ浮気を正当化しておきながら今更復縁なんて認めません

ユウ

文字の大きさ
上 下
115 / 156
第一章

104援助の条件

しおりを挟む




アクアシア王国側は援助の条件に法律の見直しを要求した。

その理由は、一部の民が税を納めていなかったり、国が援助している教会や孤児院にちゃんとお金や物資が届いていないのだ。

特に王都から離れた地方の孤児院、教会では最近病で亡くなる子供が続出している。
その病の詳細が残っておらず、尚且つ孤児院の責任者はふくよかだった。


貧しいとは言えないことを想定した。


「ジュノ王妃、お待ちください。いくら何でもいきなり予算の出所を明らかに等」

「そうです。そんなことを」

「ほぉ?見せられた予算には不明な金があるが…」

「そちらは…二十年前のものでして帳簿は処分して」

「おかしいことよ。通常は帳簿を処分する等おかしきこと…やましい事でもあるのか?当時の会計士を呼べ。それから例の孤児院で病死したと言われる子供だが…当時の医師を呼び妾に説明せよ」

「そう申されましても」


「ほぉ?やましいな。本当に…」


「ひぃ!」


言葉だけで威圧し、動けなくする。


「馬鹿な連中だ」


「王妃陛下、相当お怒りだわ」



彼らは知らなかった。
世間では冷たい氷のような女。


氷の女王とも呼ばれており民の事など考えていない。
そう噂する者が多いが、本当は真逆だった。


無駄な贅沢はせず、散財をする際も必要だからする。
国を潤す為に私財を使い散財しているよう見見せるなど、横領や脱税を一番嫌うのだ。


「そなたたちは勘違いをしておる。税金は国民の労働じゃ…その使い道を公にせぬとは許されぬ」

「ですが…」

「それとも不正をしてますとでもいう気か」


「そんな!」


やましい気持ちがないなら見せろと食い込んでいく。
できないならば不正をしているのかと言われてしまい、言い返すことはできない。


「しかし、このような事は国王陛下同士…」


「ほぉ?妾が女故に軽んじておるのか?我が国では女でも政治に口出しができる。その権限と地位があればな?」


「なっ!」


これにはさすがに驚かずにはいられなかった。
今だに男尊女卑が激しい世なので女性が政治に口だすなど論外だったのだが…



「カステア王国は女性が学ぶ場がない。故に妾はこの国を女性の学ぶ場を設ける予定じゃ」

「なんですって!」


「何を驚く?傾いた国を潤すには女性の地位を向上させ女性がもっと外に出て働くべきじゃ。侍女や女官の数も増やす」


「そんなことをすれば今いる官僚は…」

「無能な官僚は不要じゃ」


遠回しに座っているだけの給料泥棒は解雇にすべきだと言っているようなものだった。


こうして反発を生みながらもほとんど脅す形で新たな改革は始動した。


しおりを挟む
感想 122

あなたにおすすめの小説

【完結】幼い頃から婚約を誓っていた伯爵に婚約破棄されましたが、数年後に驚くべき事実が発覚したので会いに行こうと思います

菊池 快晴
恋愛
令嬢メアリーは、幼い頃から将来を誓い合ったゼイン伯爵に婚約破棄される。 その隣には見知らぬ女性が立っていた。 二人は傍から見ても仲睦まじいカップルだった。 両家の挨拶を終えて、幸せな結婚前パーティで、その出来事は起こった。 メアリーは彼との出会いを思い返しながら打ちひしがれる。 数年後、心の傷がようやく癒えた頃、メアリーの前に、謎の女性が現れる。 彼女の口から発せられた言葉は、ゼインのとんでもない事実だった――。 ※ハッピーエンド&純愛 他サイトでも掲載しております。

婚約者が私以外の人と勝手に結婚したので黙って逃げてやりました〜某国の王子と珍獣ミミルキーを愛でます〜

平川
恋愛
侯爵家の莫大な借金を黒字に塗り替え事業を成功させ続ける才女コリーン。 だが愛する婚約者の為にと寝る間を惜しむほど侯爵家を支えてきたのにも関わらず知らぬ間に裏切られた彼女は一人、誰にも何も告げずに屋敷を飛び出した。 流れ流れて辿り着いたのは獣人が治めるバムダ王国。珍獣ミミルキーが生息するマサラヤマン島でこの国の第一王子ウィンダムに偶然出会い、強引に王宮に連れ去られミミルキーの生態調査に参加する事に!? 魔法使いのウィンロードである王子に溺愛され珍獣に癒されたコリーンは少しずつ自分を取り戻していく。 そして追い掛けて来た元婚約者に対して少女であった彼女が最後に出した答えとは…? 完結済全6話

妹と婚約者が結婚したけど、縁を切ったから知りません

編端みどり
恋愛
妹は何でもわたくしの物を欲しがりますわ。両親、使用人、ドレス、アクセサリー、部屋、食事まで。 最後に取ったのは婚約者でした。 ありがとう妹。初めて貴方に取られてうれしいと思ったわ。

【完結】元婚約者であって家族ではありません。もう赤の他人なんですよ?

つくも茄子
ファンタジー
私、ヘスティア・スタンリー公爵令嬢は今日長年の婚約者であったヴィラン・ヤルコポル伯爵子息と婚約解消をいたしました。理由?相手の不貞行為です。婿入りの分際で愛人を連れ込もうとしたのですから当然です。幼馴染で家族同然だった相手に裏切られてショックだというのに相手は斜め上の思考回路。は!?自分が次期公爵?何の冗談です?家から出て行かない?ここは私の家です!貴男はもう赤の他人なんです! 文句があるなら法廷で決着をつけようではありませんか! 結果は当然、公爵家の圧勝。ヤルコポル伯爵家は御家断絶で一家離散。主犯のヴィランは怪しい研究施設でモルモットとしいて短い生涯を終える……はずでした。なのに何故か薬の副作用で強靭化してしまった。化け物のような『力』を手にしたヴィランは王都を襲い私達一家もそのまま儚く……にはならなかった。 目を覚ましたら幼い自分の姿が……。 何故か十二歳に巻き戻っていたのです。 最悪な未来を回避するためにヴィランとの婚約解消を!と拳を握りしめるものの婚約は継続。仕方なくヴィランの再教育を伯爵家に依頼する事に。 そこから新たな事実が出てくるのですが……本当に婚約は解消できるのでしょうか? 他サイトにも公開中。

【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います

りまり
恋愛
 私の名前はアリスと言います。  伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。  母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。  その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。  でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。  毎日見る夢に出てくる方だったのです。

【完結】なぜ、お前じゃなくて義妹なんだ!と言われたので

yanako
恋愛
なぜ、お前じゃなくて義妹なんだ!と言われたので

ここはあなたの家ではありません

風見ゆうみ
恋愛
「明日からミノスラード伯爵邸に住んでくれ」 婚約者にそう言われ、ミノスラード伯爵邸に行ってみたはいいものの、婚約者のケサス様は弟のランドリュー様に家督を譲渡し、子爵家の令嬢と駆け落ちしていた。 わたくしを家に呼んだのは、捨てられた令嬢として惨めな思いをさせるためだった。 実家から追い出されていたわたくしは、ランドリュー様の婚約者としてミノスラード伯爵邸で暮らし始める。 そんなある日、駆け落ちした令嬢と破局したケサス様から家に戻りたいと連絡があり―― そんな人を家に入れてあげる必要はないわよね? ※誤字脱字など見直しているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。

【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?

碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。 まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。 様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。 第二王子?いりませんわ。 第一王子?もっといりませんわ。 第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は? 彼女の存在意義とは? 別サイト様にも掲載しております

処理中です...