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第一章
92留守番組
しおりを挟む旅支度を整え船で向かうことになった。
アクアシア王国は水軍が有名だったことから、船を出してもらえたのだが。
「あの…これは」
「我が国の船じゃ。そんじょそこらのしょぼい船と違ってエンジンで動くぞ」
「ほわー…」
大砲も備わっている船で現世で見た船とは異なっている。
「通常の船は帆船故に遅いが、この船は潜水艦にもなる故な」
どんだけお金を貯め込んでいるのかと思ったが。
「これは妾の私用じゃ。まぁ同盟を結ぶためじゃからな…こじんまりとした船にした」
「王妃陛下、これは既に…」
「言ってはダメです」
王妃は本気だった。
金銭的な規模が違うのだから正しても仕方ない。
「ですが相手方に警戒されないか心配ですが」
「ならばに三発威嚇してやればよい」
戦いに行くわけではないのに、威嚇してどうするんだと一同は思った。
「母上、船に乗れるんですね」
「そういえば、ルクシアは初めてであったか?この母の操縦をよく見るがよい」
「「は?」」
船員が十分いるにも関わらず、王妃が操縦をすると宣言していた。
「アスラン、私は心配です」
「言うな…」
色々は不安の多い船旅になるようん気がした。
「二人共、気をつけて行ってこい」
「お義姉様…」
「少し意外でしたな」
ユズリハはコロネと一緒に留守番組となった。
当初は一緒に行くものかと思っていたのだが、ユズリハが事態したのだ。
「私までいなくなっては王宮の守りは手薄になるではないか」
「すうですが…」
妙だと思ったが、聞いても教えてくれないのだ。
「留守中に客が来るのでな?精一杯もてなさなくては」
「客…ですか」
アスランはそんな予定はあったかと思ったが、ユズリハが対応してくれるならば任せようと思った。
(いや、今は優先するのはあの馬鹿共だ)
ユズリハの言動は気にはなるが今優先するべきなのは憎いあの男を徹底的に潰し、グレーテルの受けた苦しみを思い知らせるのが最優先だった。
平民になったからといって安心できないのだ。
例え平民になって何もできなくなったとしてもアスランは許す気はない。
グレーテルが長年受けた苦痛を思うと許す気にはなれないのだから。
「アスラン解っているな」
「ええ」
「万一の時は殺してもいい」
「はい」
こんなやり取りをされていることなどグレーテルは知る由もなかった。
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