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閑話 学園のその後①
しおりを挟むリーゼロッテが静かに国を出た後。
学園内は荒れに荒れていた。
これまで学園内では小さないざこざがあったが、それでも公に出なかった。
保護者からのクレーム、生徒からのクレーム等すべてをリーゼロッテ引き受けていたので教師達が保護者に嫌味をいわれることなかったのだが…
学園長が、生徒に警備責任を負わせて教師がノータッチなのは問題だと指摘した。
以前からも教師がもう少し生徒に寄り添うべきだと苦言を申していたが、補佐をはじめとする他の古株の教師達が生徒の自主性と、生徒同士の問題を生徒に解決させることは今後社交界で生きる為に必要だとごり押ししたのだったが、今回の事で深く反省した学園長は生徒に警備まで任せるべきでないこと。
そして学園内で派閥の影響が出いている事。
一人の生徒を犠牲にして悪意を向けさせることなどを指摘した。
これに反発した教師陣に学園長はやむ終えず強硬手段に出た。
陰で辺境伯爵令嬢を痛めつけ、侯爵令嬢を窘められなかったと陰で暴言する生徒に対しても罰を与えるべきだと物申したが、逆に学園長に指導者としての資格がないと責める保護者が続出し今回の責任も学園長に押し付ける形となり辞任を強いられてしまった。
学園長自身は、致しかなたないと考えた後に学園長代理を推薦した。
引継ぎをすべて終えた学園を去る形になったのだが、教師達は今時時代遅れな聖職者気取りな学園長を追い出せたことに喜んでいたが、後任となる学園長がどんな人物か知らずにいた。
そう、学園長は言ってみれば聖職者のような人物だった。
対する後任となる新学園長は厳格な性格で現実主義だったことからいかなる理由があろうとも不正は許さず、また情の訴えも許さない正確ゆえに…
「職務怠慢な教師は不要です。即解雇です」
「そんな!お待ちを…」
「教職に向いていませんね。教育協会にも伝えます。すぐに教職の資格を返上してください」
情け容赦もなく、これまでの怠慢を行った教職員はもちろんのこと教師として必要なスキルがあるか再度試験を行い少しでも基準点に満たなければ即解雇されてしまった。
解雇された後は行き場はなく、尚且つ名門校を解雇されるなど余程の事をしたのだと噂が流れ最後は無職となる始末だった。
勿論、実家からも追い出されてしまい行く当てがなくなるという結末だ。
前任の学園長ならばこんな真似はしない。
だが、今の学園長はかなりの合理主義で、尚且つ生徒達にも今後の新たなカリキュラムを導入して授業態度を見直させるようにしたのだった。
その所為で生徒の三割は自主退学。
二割は停学と半分しか生徒は残らなくなり、実力のある生徒だけが残った。
その例外も存在するのだが、落ちこぼれ組とよばれる生徒の処遇はかなり過酷な環境だった。
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