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60意味のない謝罪
しおりを挟む二度にわたる暗殺未遂事件が起きたことで学園内では更に大騒ぎになった。
「申し訳ありません!」
学園長が頭を下げてくださったけど意味のない謝罪だった。
「謝罪は結構です。本日が最後となりますので」
「それは…はい」
「今後私はこの学園にかかわることは致しません。何があっても私には無関係です」
「無関係とはあまりにも…」
隣にいる学園長の補佐が私を睨むも…
「事実だろう。彼女は留学した後に我が国の学園で卒業するのだから。生徒の自主性を重んじるというが。生徒に役目を丸投げした結果がこれだ…今後は注意してくれ」
「それは…もう」
「ですが、今後は…」
「勿論、今回の事でカリスタ王国との交換留学は白紙になるだろうし、留学している我が国の貴族も早々に帰国の命令が下るだろう…殺人未遂事件の生る学園に置くわけにはいかない」
「では援助は!」
「勿論打ち切りだ。ただし…キャンベル嬢の留学に関しては我が国が責任を持つので貴方達は気にしなくてもいい」
まるで遠回しに学園とは一切かかわらない。
今後も関わることもないのでそちらも関わるなと言っているようだ。
「はい、存じております」
「学園長!」
「止めないか、この度の問題は我らの責任だ…これまで問題を彼女に押し付けた結果だ」
押し付けられたとは思っていない。
でも先生側にももっとできることがあったはずだ。
それをすべて放棄することはもうしないでほしい。
「学園長、私はこの学園で学んだことを生かして隣国でも精いっぱい頑張ろうと思います」
「ええ…どうか隣国でも頑張ってください」
補佐の方は未だに不満そうにして私を睨んでいたけど、構わない。
挨拶に来たのだから。
見送りは断り、学園長室を後にした。
なんともあっさりした別れであるけど、これでいい。
しばらくは学園内で荒れるだろう。
世間の噂の的になり、大変なことになるだろうけど。
私はもう部外者だから何もできない。
「リーゼロッテ様!」
「リゼでいいわ」
「では私の事をステラと呼んでください」
「おい…」
「ああ、貴方は馴れ馴れしく呼ばないでくださいね?言っておきますけど私は勉強して出世して何時かリーゼロッテ様を奪って見せます!私はお姫様を魔王から奪還する勇者になります!」
拳を突き上げていうことなのか。
それ以前に何か違うような気がするのだけど。
「その前に試験に受かれ、試験に」
「ここまでいたら満点で合格して見せます」
「そう簡単に行くか」
留学する絶対条件は隣国の編入試験で三位以内に入ることだ。
かなり厳しいのだけど…
その三日後、キャンベルさんの試験の結果は…
「やりました!首席です」
「嘘…」
カリスタ王国の王立学園の編入試験の結果は首席だった。
聞けば中間考査代わりの試験だったのだけど、500点満点で何故か515点だったとか。
「何で500点満点で515点なんだ!」
「レグルス様、教員の話曰く問題のミスだったとか…問題の訂正をした後に二つ答えを回答したようです。しかも試験の制限時間よりも30分早く解いたとか」
なんということか。
こうして正式に留学が決まったステラは堂々と留学することがきっまった。
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