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閑話 夫人会①
しおりを挟む学園内の不祥事が続き、退学者が続出した。
それと平行に、学園側にも監督責任を放棄し過ぎだと夫人会でも問題を指摘された。
「この度の不祥事は学園側にも問題があるのではありませんか」
現在学園側の代表と中央貴族と夫人会の代表とで会議が行われていた。
夫人会会長のヒギンズ侯爵夫人。
西の辺境地を任される侯爵夫人でありながら夫は第三騎士団に所属している。
通常騎士団団長の妻は多忙の夫に代わり領地代行する権利を与えられている。
ヒギンズ侯爵夫人は女性でありながら女侯爵の地位を許されている程の実力者で二週間前までは王都を離れて被災地に出向いていたのだ。
「第一、生徒の自主性を育むと言っても、リーゼロッテ嬢にすべて任せたのは何故ですの?」
「以前に保護者の介入により、問題が生じたのでより厳しい制度を作ったのは存じております。ですが、役目を放棄した先生方にも問題がないと?」
「挙句、リーゼロッテ嬢はご自分が一人でなんとかしなくてはならないと間違った考えを…いいえ、洗脳をされてしまったのですから」
ヒギンズ侯爵夫人に続くように夫人会の役員は告げる。
彼女達も王都から離れた領地でそれぞれ領民を守る為に奮闘していた。
辺境貴族とはそれだけ激務だった。
「それとも、王都の貴族は私達辺境貴族を追い出そうとお考えなのでは?」
「建国前から住まう私達が邪魔なのかしら」
「では王都の警備も考え直さなくては」
ダラダラと汗を流す中央の貴族達。
口を挟む暇さえも与えられずにいる彼らは顔を上げることもできない。
「王妃陛下…」
彼らは既に逃げ腰で唯一平然としている王妃に助けを求めるが…
「これは完全なる中央貴族…いいえ、王族の不始末です」
「なっ…」
「既に隣国より今回の同盟の件や学園の援助は打ち切りになりました。我が国に派遣してくださっているギルドはすぐに帰国させるようにとローゼマリー陛下よりお手紙をいただいておりますの」
「そっ…そんな」
「交換留学をしていらしたレグルス殿下も学園の腐敗しきった環境は社交界の影響ではないかと仰せでね?来年からあちらの国から留学は断られてしまいましたの」
真っ青になる彼ら。
カリスタ王国と関係を絶つことは国の存続にも影響を受ける。
だが、ここまでする必要はあるかと思う面々。
「今回辺境伯爵令嬢が侯爵令嬢と伯爵子息に相当な非道な仕打ちを受けたことが原因でしょうか」
夫人会の幹部の一人が訪ねる。
「それも一つの要因でしょうね。相手はこの国の王太子妃になるはずの令嬢…未来の王妃に対して絶望したのでしょう。私の息子もその暴走を止めなかった」
「逆の立場ならば妥当ですわね」
「ヒギンズ侯爵夫人!無礼ですぞ!」
「ではどうしたらいいかお教えください」
文句だけを言って解決策を言わず他人の批判しかできない無能な男を睨みつけ夫人会
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