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28とある少女の苦悩②

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それから一週間後、私は勉強する場所を変えた後に聞いてしまった。


「あの平民、何所で勉強しているのよ」

「待ち伏せしておいたのに」

「閉じ込めようと思って図書委員を脅しておいたのに」

ぞっとした。
別館の図書室は常に司書さんがいて、警備がしっかりしている。
対する今まで使った小さい図書館は生徒が受付にいる程度で警備なんてない。


「聞けば別館のあそこですって」

「チッ…あそこは司書が昼夜問わず待機しているのよ」

「別の時を考えましょう」


もし、あのままあの場所で私があそこで勉強していたら閉じ込められていた?


思い出すとぞっとした。
同時に私に助言してくださったリーゼロッテ様は私を守ろうとしてくださったのではないかと思った。



「リーゼロッテ嬢?」

私は彼女を知りたくなりそれとなく生徒会幹部の皆さんに尋ねてみた。


「どうしたんだ?」

「えっと…特に深い意味はなくて」


私には友達がいない。
まともに話ができる人は生徒会の幹部の方が殿下だけだった。


「私も直接のかかわりはない。婚約者の友人という位置だ」

「友人?侍女の間違いではないですか?」

「もしくは世話係だろ?」


他の皆さんが嫌そうな顔をした。


「リーゼロッテ様は侍女なのですか」

「いや、彼女は辺境伯爵令嬢で、侯爵令嬢の侍女などありえない」


「辺境伯爵家のご息女で、第二騎士団長を父君に持ち、彼女自身も立場は高いが、宮廷貴族は辺境地の貴族を見下している」

「リーゼロッテ嬢も、権力で物を言わせることをよく思っていないが為に侮られている」


皆さんはリーゼロッテ様を毛嫌いしている?

「皆さんんは辺境貴族の方が嫌いなんですね」

「は?」

「ですからリーゼロッテ様もお嫌いなんですね」


「えっ…いや」


私が聞く限り、皆さんはリーゼロッテ様をよく思っていないのだと解った。

「辺境地の貴族様は国の最後の剣と伺いましたが…皆さまは辺境貴族がお嫌いだからリーゼロッテ様も良く思ってないなんて悲しいです」

「待てステラ…」

「僕達は、彼女は侯爵令嬢の友人でありながら窘めないことを!」

「そうだ。君に嫌味をいっているのに。とめもしないことをだな」


何故でなのかしら?


「どうしてリーゼロッテ様が責められるのですか?あの方は悪くないのに」

「だが!一番傍にいながら窘めることをしない…彼女なら嫌がらせを止めることだってできるはずだ!」


この言葉に違和感を感じた。


アグネス様が私に対して良い感情を持っていないのは解っている。
他の方の便乗していると。

「では、この学園の虐め等はすべてリーゼロッテ様の責任で、あの方がすべて悪いのですね」

「えっ…」


人の悪意なんていつどうなるか解らない。
好きという感情が嫌いになるなんて誰も解らないとお母さんが言っていた。


なのに彼らはどうして私が虐められているのをリーゼロッテ様の所為だというのかしら?

何もしていない。
いいえ、むしろ助けてくれたし助言もしてくれた。


「まるですべての責任を一人に押し付けているように見えます」

私は思ったことを口に出した。


この時だけは彼らの言い分がおかしいと思ったのだから。




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