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27とある少女の苦悩

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私に嫌がらせをしていた女子生徒が停学処分となり、婚約者である方達も退学となった。
その噂は瞬く間に広がり、私の耳にも入って来た。


だけど、リーゼロッテ様の情報はほとんどない。
クラスメイトが好き勝手に噂をしているだけのもの以外は。


婚約者を奪われ、嫉妬心故に侯爵令嬢に怒りをぶつけ、婚約者に責められた。
怪我、リーゼロッテ様が暴れたことで致し方ないと一時は噂になったけど、学校内新聞で真実が明らかにされた。



「最低ね」

「噂と真逆じゃない」

「リーゼロッテ様を悪者にしたかったんでしょう?歪んでいるわ」


クラスでは、一連の騒動を静観している人もいる。
現場に居合わせなかった人たちだ。

元よりこのクラスの人は噂に左右されない人が多い。
そんな暇があるなら自分の研究を優先するような人が多くて色恋にも興味がない。


全員とはいかないけど、貴族でも跡継ぎでないと独立する為に必死なのだと聞いた。
生徒会の幹部の皆さんも、家を出て独立する為に必死で勉強して卒業後のことを考えているそうだ。


私も折角のチャンスなので、学園でしっかり勉強して、故郷にいるお母さんとお父さんを楽させてあげたかった。


特待生と言えど、この学園に入る前に学費以外にかかるお金を用意してくれた。
基本学費は全額免除であるけど他にかかるお金は多かった。


でも、平民である為に蔑まれ。
不正を行いこの学園に入ったとも思われている。


生徒会の皆さんと親しくさせてもらっているけど。
離すのは生徒会の仕事関係の事や行事の事だけどプライベートな話は一切していない。


貴族ばかりいる学園内で解らないことが多いだろうと殿下が時折声をかけてくださっている。

でも二人きりになったことはないのに。
でも、それが更に誤解を与え私は複数の男子生徒を手玉に取っているなんて不名誉な噂が流れた。


違うと言いたい。
でも相手は貴族でまともに私の話を聞いてくれない。


そんな時だった彼女に会ったのは。


何所に言っても一人だった私はその日も下校の時間が過ぎても図書室で勉強をしていた。


「もう下校の時間です」

「えっ…あ」


「学年内の中は外よりも安全ですがまったく危険がないわけではありません。急いで帰宅の準備をしてください」

「すいません」

顔をあげるのが怖かった。
何を言われるのか。


「勉強ならば別館をお使いすることを進めますわ」

「え?」

「ここは目立ちます。相手に隙を見せないのも自身を守る為に必要ですわ」


多くを語るような方ではなかった。


「リーゼロッテ様、学園内の警備に関してですが」

「解りました…ごきげんよう」


会話と言えるものはしていない。
だけど勉強する場所を変えた数日後のことだった。


リーゼロッテ様が何故あんなことをおっしゃったか知ったのは。





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