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27愛の告白と薔薇
しおりを挟む「二人ともいい加減にしてください!」
二人があれやこれやと好き勝手言い始める中、声を荒げたレオは、部屋に飾ってある薔薇を手に取る。
「リゼ、我が国では伝統的な求婚がある。初代国王陛下から始まったのだが‥」
薔薇にキスした後にレオは膝をつく。
「私、レグルス・リーズベルトは貴女を大切にし一生愛する事を誓います」
「レオ…」
「この薔薇に愛を誓い、いかなる時も貴方を守ることを約束します。どうか私の花嫁になってください」
情熱的な瞳。
まるで捕らわれてしまいそうになる。
差し出された薔薇を私は迷うことなく手に取る。
「はい…」
「ありがとうリゼ」
私の手を取りキスをされ胸が苦しくなった。
今まで手を握られることはあれど遠慮がちだったけど今は違う。
「その…恥ずかしいのですが」
「これでも我慢していたんだ」
「我慢…」
何を?なんて聞くほど野暮じゃないけど。
私にそういった感情をずっと抱かれていたなんて驚く。
「本当はあの場所で泣きそうな君を攫ってしまいたくなった…だが人としてあるべき姿ではなかった」
「ずっと貴方は待ってくれていたの?」
「待っていた…というのは正しくないかな。だけど君の中で折り合いをつけて欲しかった」
王妃陛下とミカエラ様の言い方だと、既に私とサリオンとの婚約は破談となっていたのだろう。
でもレオの行動からして知っていたとは考えにくいし、私とレオの婚約も知らないように思えるわ。
「貴方はずっと…私を思ってくださったの?」
「好意はあった。隣国の歌姫に思いを抱いていたけど。本当の意味で君を欲しくなったのはあの時だ。母君に祈りながら泣くことを我慢する強い君に」
こんなに嬉しいことはない。
誰かに思われることがこんなにも幸福な事だったなんて。
「けれど君は婚約者との関係を修復しようと努力した。だから俺は見守ろうと思った…だが心配で母上に手紙を出したんだ」
「その時点で婚約解消は決まっていたんだ。だが婚約解消では生ぬるいからな」
「私もミカエラから報告を聞いた時、愕然とした…だが言い訳にならない」
知るはずがない。
王妃陛下は本当に多忙で国の為に常に走り回っているのに知れるだろうか。
正しい情報をひた隠しにして都合のいいように伝えていただろう。
「宰相も立場もあり、確実な証拠がなく侯爵家を訴えることはできなかったが、婚約解消の為に二年前から動いていた…だが、リゼがサリオンに情があるならばと」
「政治的には優秀でも男女の機微には疎い男だ。まぁ基本政略結婚ならば女性側がどんな扱いを受けても皆いうだろう。我慢しろと」
「そうですね」
それが正しいのかもしれない。
王都住まいの貴族ならば余計にそう思うのだろうけど。
「男尊女卑の世だ。男が妻を殺しても見逃される。逆に妻が夫の浮気を糾弾すれば責められるのは妻…この歪んだ常識を壊さなくてはならぬ」
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「俺の父は女性こそ国を担うべきだと側近にも言い聞かせていた。俺も同感だ」
「女性が虐げる時代は終わりと?」
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