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第三章
47エピローグ
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あれから二年後、私達は今日卒業する。
…のだけど。
「私はこの世の無情さに絶望します」
「そう嘆くな」
私達の生徒代表は。
「キャシー様見てください!卒業式代表のマントを可愛くフリルをつけたんですよ!」
くるりとまわりポーズを取る彼女に私は絶望した。
「まさか彼女が総代表になるとは、しかも来年は国内屈指の大学に特待生として入るとはな」
「殿下、これ以上は止めてください」
私の心は更に沈む。
何故ならセルシアが入る大学はどんなに優秀な生徒でもストレートで入学できる生徒は稀だ。
倍率200%という狭き門。
前前世で言えば東都大学の工学部にストレートで受かるようなもの。
「しかし我が校からストレートで入学できる生徒がでるとはな。まぁ君も受かったんだから良かったじゃないか。補欠だが」
「殿下、私を傷つけて楽しいですか」
そう、私も同じ大学を受けた。
しかし一時試験で落ちて一般で落ちで二次試験でも落ちた。
ようするに三回受けたのだ。
しかし欠員があったのでなんとか補欠の枠で入学できたのだ。
「卒業の代表までも奪われるなんて」
「大学の試験官が驚いていたな。合格点の満点は500点。しかし彼女は520点だったそうだ」
「おかしいですよね?500点満点で」
「何でも論文が斬新で、評価が高かったそうだ」
「なんてことなの」
私は大学に入るべく椅子に縄で体をしばり、死に物狂いで勉強したのに、彼女はいつも通り試験勉強をするだけだ。
元から呑み込みが早いと思ったけど天才だったなんて。
「キャシー様、大学でも一緒ですね。仲良くしましょう」
「絶対嫌ですわ」
大学に何しに行く気なのか。
勉強しに行くのにキャンパスライフを楽しむ女子大生のようだ。
「大学では負けないわ」
「キャサリン様、まだ言うつもりですか」
呆れた表情をするエレーナ様。
解っているけど、まだまだ負けないは。
例えヒロインだろうと私は負けない。
だって私の人生は山あり谷ありなのだから。
これから先も大変な事も多いかもしれないけど、前に進んでいける。
だって扉を開けた先は輝きで満ちているのだから。
――完結
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