131 / 136
第三章
41悪意の矛先
しおりを挟むある程度想像はできていた。
私が面会に行くのはあらかじめ伝えていない。
ただ王家の人間が行くと伝えたのみ。
既に私達は婚約を結び、挙式を上げれば名実とも夫婦になる。
籍は入れているけどね。
この世界では夫婦となるには二つある。
まずは平民の場合は挙式を上げる前に籍を入れる。
その後に挙式を上げるのだけど、貴族の場合が大半は籍を入れる前に挙式を上げて、その後に正式に籍を入れる。
だけど、私達はあえて逆の手を使った。
いわばこれは小さな仕返しと、皆さんの願いだった。
私が王族という立場になれば、オレリアの神経を逆撫ですることになるけど。
手を出せば今度こそ身の破滅だ。
それを狙っているのだろう。
主に宰相閣下が。
ここまでオレリアを毛嫌いしているのによく王太子殿下の婚約者に選ばれたものだ。
それなら侯爵家以下の令嬢を婚約者に奪う方がいいのに…とも思ったけど。
国王陛下が病床に伏しており、王妃陛下が代理をするとしても反対勢力が動いたのかもしれない。
詳しくは解らない。
でも、王族派の勢力が弱まっていた時期がある。
添い考えると納得は行くのかもしれない。
まぁ、王家の事情は今は後だわ。
「何でアンタがいるのよ!」
「狭い部屋でそうキャンキャン叫ばないでくださる?鼓膜が破れるわ…さぁお座りなさいな」
「私に命令してんじゃないわ…ぎゃあ!」
「座れ。公爵夫人になんて無礼な」
「はぁ?」
いや、私はまだ公爵夫人じゃないわよ。
籍は入れたけど挙式は上げてないし、実質公爵家の女主人になるのはまだ先のことだし。
「キャサリン様、どうかご無礼を」
「気にしませんわ。慣れましたから」
「貴様、どれだけ愚行を繰り返したのだ!」
早くその掴んでいる手を離して欲しくて言ったのだけど、見張り役の騎士さんはこれでもかというほどにオレリアの頭を掴んでいる。
ミシミシ音がしているのだけど大丈夫かしら?
「馬鹿は死んでも治らないだろ」
「さりげなく酷いですね」
「酷いのは彼女の脳だ」
確かにこの状況下で未だに私に悪意をぶつけるなんて頭のネジが足りないと思うけど、このままでは話が進まないわ。
「手を離してくださいますか」
「承知しました」
うん、流石だわ。
私が離すように言えば素直に手を離してくれた。
「何で…何でアンタが!」
「私以外に誰が来ると思ったのです。とにかく座りなさい…嫌ならそのままでもいいけど」
「くっ…」
周りの視線に耐え切れず断念したわね。
最初からそうしていれば痛い思いをしないで済んだのだけど。
でもここまで想定内だわ。
75
あなたにおすすめの小説
「お前との婚約はなかったことに」と言われたので、全財産持って逃げました
ほーみ
恋愛
その日、私は生まれて初めて「人間ってここまで自己中心的になれるんだ」と知った。
「レイナ・エルンスト。お前との婚約は、なかったことにしたい」
そう言ったのは、私の婚約者であり王太子であるエドワルド殿下だった。
「……は?」
まぬけな声が出た。無理もない。私は何の前触れもなく、突然、婚約を破棄されたのだから。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
【完結】結婚して12年一度も会った事ありませんけど? それでも旦那様は全てが欲しいそうです
との
恋愛
結婚して12年目のシエナは白い結婚継続中。
白い結婚を理由に離婚したら、全てを失うシエナは漸く離婚に向けて動けるチャンスを見つけ・・
沈黙を続けていたルカが、
「新しく商会を作って、その先は?」
ーーーーーー
題名 少し改変しました
婚約破棄、国外追放しておいて、今さら戻ってきてほしいとはなんですか? 〜今さら戻るつもりなどない私は、逃げた先の隣国で溺愛される〜
木嶋隆太
恋愛
すべての女性は15歳を迎えたその日、精霊と契約を結ぶことになっていた。公爵家の長女として、第一王子と婚約関係にあった私も、その日同じように契約を結ぶため、契約の儀に参加していた。精霊学校でも優秀な成績を収めていた私は――しかし、その日、契約を結ぶことはできなかった。なぜか精霊が召喚されず、周りからは、清らかな女ではないと否定され、第一王子には婚約を破棄されてしまう。国外追放が決まり、途方に暮れていた私だったが……他国についたところで、一匹の精霊と出会う。それは、世界最高ともいわれるSランクの精霊であり、私の大逆転劇が始まる。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる