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第三章
37温情
しおりを挟むオレリアの処遇が決まった。
三日後に牢獄から出た後に王都から追放の後にロイドと籍を入れて離縁はできないように先手を取った。
ジュレイド家は爵位、領地、財産のほとんどを召し上げになった。
前ジュレイド侯爵夫人は隠居になるはずだったが、親族が責任を取る形で貴族籍を除籍し、国を出る決断をしたそうだ。
表向きはだが。
「彼らは被害者です。フォーカス家は別地して、前侯爵夫人をこれ以上苦しめる理由はないわ」
「では!」
「国外に出した後に、他国で子爵の爵位ですが貴族とし生きれるように手を尽くしました」
「母上…」
私は安堵した。
前侯爵夫人は婚約解消の時にこれでもかというほどに誠意を尽くしてくださった。
「ですが、両親はそうはいきません」
「そうですね…」
「どうせ反省何てしてないでしょうし」
だけど、どうするのかしら?
「私の考えたシナリオ通りあの二人は国内に留まるようですわ…ならばその意志を尊重して差し上げましょう」
「はい」
フォーカス家に同情の余地はない。
恨みがないわけじゃない。
「母上、今後キャサリンが彼らと接触することは」
「許しません。いいですわね?」
「ですが公爵夫人…」
私は最後に話もしないでということになる。
このまま黙って守られているだけでいいのかと思ったけど。
「私は貴女に一人で会うのは許さないと言いました」
それは二人きり出ないならば会うことは許されるとのことだ。
「一度だけ…一度だけ機会を作ります」
「ありがとうございます」
「しかし母上!」
私はあの日から一度もオレリアに会っていない。
会ったからどうなる問題ではないのだけど、でも聞きたいことがある。
「フィルベルト」
「はい」
「妻を守るは夫の務め。だけど鳥籠で守るのではだめよ」
「鳥籠…」
「いいですね」
「はい」
強い。
最強だわ。
伊達に社交界を生きてないのね。
影の王族と呼ばれるだけあって手段がすごい。
「いいですか、優しいだけでは生きていけない。でも優しを失った権力者ではだめです」
優しさを使う場所を間違えてはならない。
私はオレリアに優しくする場を間違えてしまったのだ。
「心得ました」
「よろしい。フィル、いいですね。必ず守りなさい。妻の誇り、矜持を守ってこそ夫の価値が上がるのです」
こうして私は公爵夫人の好意により私はオレリアと面会を取り付けることができた。
はずだったが…
「「「却下!」」」
生徒会メンバーには反対されてしまった。
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