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第三章

30静かなる女帝

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長らく闘病生活の為に社交界に顔を出さなかったクレッセント公爵夫人。
一部では血筋と身分だけの夫人だと馬鹿にされていた。

でもそれは大いなる誤解だ。
ただ清楚な姫君が隣国の王族に嫁いで長らく生きながらえるわけがない。


そう、私は時期を見ていたのではないか。
今ならば解る。


「聞きまして、両家の噂」

「公爵夫人を侮辱し、暴言を吐き散らした所為で領地、財産没収になったそうですわ」

「まぁ、今までは甘すぎたというべきか…しかも裁判にするまでもなく裁かれたとか」


社交界では両家の噂でもちきりだった。
これまで問題をおこし続けていたあの二人だがその罪が公開された。

これを俗にいう公開処刑というのか。


ロイドを拘束した後にオレリアは懲りることなくフィル様を諦めなかった。
そこで平民も参加できるサロン。

公爵夫人の主催するサロンだ。
貧しい平民達に援助する会で王妃陛下も参加されているものだ。

そのサロンは自由に出入りができるサロンだったのでオレリアにも招待状が届き、勘違いをしたそうだ。


平民が参加できるサロンゆえに新聞記者がわんさかいて、同盟国の商人や下級貴族に官僚も多数参加している。


そこで爆弾発言をして、私の悪口を声高らかに言い放ったとか。


「本当にないですわ」

「まぁな…しかも君に注目が集まっている。しかも君が開発している自国で資源を作る計画を馬鹿にしたことで。その契約に関心を持っていたある令嬢ともめごとになったんだが」


「ああ…その先が解るので頭が」

「小さな島国といえど、その令嬢は元王女だ」


貧しい国であろうと、許されるわけがない。

しかもその相手が門ぢあだったようだ。

「王妃陛下が贔屓にしている国で、何とかして援助したいと思っている国なんだ」

「ドボンですね」

「ああ、ドボンだ」

何所までも運が悪いと思ったけど出来過ぎている。
招待されたサロン、しかもタイミングよく王妃陛下の贔屓の令嬢を侮辱するなんて。


「まるで誰かがシナリオを…」

「ああ、断罪劇だ」

「だっ…断罪劇」

まさしくそうだ。

「演目を書いたのは母上で演出は王妃陛下だ」

「何をしていいるのか」


王妃陛下も便乗するなんて。

「裁判何て無駄だ。時間と金の無駄だ」

確かに税金の無駄遣いだわ。
その点、サロンに呼び出し記者に真実を見て貰えば費用は…


「なんて無駄のないのでしょう」

「そこか」

「でも意外でした」


公爵夫人は王家出身なのにこんなコスパの良い事をするなんて。


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