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第三章
29退学
しおりを挟むその一週間後。
試験の結果が発表された後に退学する生徒が発表された。
わが校は、成績が酷すぎたり問題行動が多いとペナルティーがある。
停学処分が続いたら勿論退学になるのだけど。
「あの二人は言うまでもなく退学だ」
「理由は」
やっぱり私の事よね?
既に停学処分になっている二人は重ね重ね問題を起こしている。
「いや、あの二人が君に問題をおこさなくても退学になっていただろう」
「まぁ当然ですわ」
「エレーナ様?」
呆れた表情で言い放つ、エレーナ様は書類を見せてくれた。
「これは?」
「ちょっと職員室から盗んできました」
「いや、盗むなよ」
「悪用はしませんわ」
本当にそういう問題ではないのだけど言っても無駄か。
諦めモードの私は書類を見ると誰かの成績を折れ線グラフにしたものだったが。
「これは…」
「うわぁー酷い成績。まともに勉強してなくてもありえませんね。どこのお馬鹿さんですか」
「いや…これは」
フィル様が言いにくそうにしている。
だって、この成績表はあの二人だもの。
「不思議だったんですが、あの二人は不正したのでしょうか」
「この成績で入試に合格できたのが不思議ですわ」
二人共、これ以上言わないで。
あの二人を合格させるために私はどれだけ努力したか。
「この成績なら進級は無理ですね」
「そうですね」
前世ではどうやって進級をしたのだろうか。
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「まぁ、これで学園に入れないだろう」
「ええ」
「でも、そうなるとどうなるんでしょうか…学費とか」
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他にもかかった費用は請求され一括で支払いを求められる。
「既にそんな余裕はないでしょうね」
「だろうな…母上が慰謝料を請求したからな」
どんな莫大な金額なのだろうか。
そもそもお金はあるのか気になるところだけど、お金がない場合は領地差し押さえになったり邸を手放すという場合も考えられなくない。
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その後日、風の噂で私は彼らのその後を聞くことになった。
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