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第三章
11最凶同盟結成~エレーナside
しおりを挟むこの世は男尊女卑。
女は蔑まれ踏みつけられてきた。
平民だけでなく貴族も同様。
ある意味貴族の方が女は自由が少ない。
婚約破棄問題でも女性側に問題がなくとも、女性側が悪いとされ。
夫婦間の浮気問題も妻側に魅力がない、夫の手綱を掴めなかったのが悪いという理不尽なものだった。
我が家は生粋も科学者。
何代も続く科学者を輩出して来た。
両親は共に科学者であり研究者だったのでどちらが上という考えはなかった。
だけど外の世界は違った。
研究者の中では妻が研究に精を出すことをよく思わなかったりと。
女が出世を目指すと男は全力で邪魔をしていた。
くだらない。
こんなくだらないことはないわ。
男のくだらない嫉妬の被害者になるなんて。
キャサリン様も同じだった。
誰よりも優秀なのに。
でも、彼女は負けなかった。
婚約破棄をされた女性の末路は悲惨だった。
なのに負けずに手柄を立てて家を守り、身を立てて一人で生きる覚悟を持っていた。
私の研究に関しても的確かつ合理的なアドバイスをしてくれた。
だからこそ惜しいと思った。
女性というだけで可能性を握りつぶすなんて。
「この世は間違ってます」
「エレーナ」
「キャサリン様はあれほど聡明なのに、これまで冷遇され過ぎたのです」
拳を握り、私は悔しくてならない。
あまり争いごとを望まない性格なのか、少し手ぬるい。
男という存在の愚かさを知らなさすぎる。
「この世を動かすのは男、その男が堕落して乱れてからこそ世が乱れ、女を道具にするのです。キャサリン様がいい例ですわ」
「エレーナ・・・」
「フィルベルト様、これは責任重大ですわ」
「解っている」
「解っていません。あの屑男をより重罪にしてあのような真似をした男は社会的に抹殺されると見せつけなくては」
フィルベルト様もキャサリン様同様に甘い。
やり方が手ぬるいからこそ私達で徹底的にしなくては。
「この世はもっと女性に優しくあるべきです」
「エレーナ様、感動しました」
「セシリア様、貴女は平民の代表でしょう?貴女がえばり腐っている貴族を叩き潰すぐらいなさい」
そうです。
ここに光の魔力の持ち主がいるのだから。
見せつける必要があります。
「私が…ですか」
「そうですわ。光の魔力を持ちながらも自力で代表生徒になったのですから」
「解りました!」
私達は共に握手をした。
ここに新たな友情が生まれた。
「まずいな」
「一番厄介なコンビが生まれた」
キャサリン様を守ると同時にすべての女性を守る為に私達は立ち上がったのだった。
踏み台にはあの二人がぴったりでわ!
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