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第二章
45学校新聞
しおりを挟むこの世界にとって新聞は唯一身分問わず情報を平等に得る手段。
たかが新聞、されど新聞。
「これは何なの!」
翌日朝一番で発行された学校新聞を握りしめる。
「熱愛報道・王家にロマンス!お相手は彼の有名な天才令嬢」
「数年にわたり忍ぶ恋に耐え忍んだ末の純愛物語」
「婚約破棄を受けながらも健気に国に尽くした令嬢の未来はいかに」
生徒会室で震える私を無視して新聞を声に出して読む三人。
「読まなくて結構!」
「なんかこれ婚約報道をすっ飛ばして結婚報道みたいですね」
「そんなわけないでしょう」
「キャシー様ったら。この新聞既に学校中ばらまかれてますよ。ほら」
「ひっ・・」
窓を見ると白鳩便が空から新聞をバラまいている。
「止めてぇぇ!」
「キャシー様!身を乗り出したらぺしゃんこです!」
「そういう問題じゃないでしょう!エレーナ様!魔道具でなんとか」
「対等交換です。無償でなんていいませんよね?」
くっ…私に味方はいないのか。
大体こんな真似をして許されると思っているのか。
相手は王族よ?
王弟殿下のご子息なのよ?
「残念だったな。君の願いは紙吹雪のように飛んでいくぞ」
「何故です?」
憐れむような目で殿下は私を見ながら肩をポンと叩く。
その表情が今はイラっとするわ。
「何故なら学園内では報道の自由があるからな。しかも新聞部のスッポンは優等生だ」
「は?」
「クラスはAだからな。Sではないが、これまで様々な悪事を暴いてきたからある程度の事は許されるというか」
「許されるも何も、これだけ新聞にかける時点で王家に許可を取っているんじゃないですか?もちろん学園長にも・・普通に考えればわかります。キャサリン様って意外に馬鹿だったんですね」
「エレーナ様…」
天才とは遠慮がないのか。
もう少しオブラートに包もうとか思わないのか!
「私の味方は?」
「ないですね?あると思いましたか?」
「エレーナ、少しは容赦をしてあげたらどうだ」
「現実逃避等無意味です」
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勿論文句を言ったら。
「嫌なら否定なさればいいのですよ」
「くっ…」
「本気で嫌ではないのでしょう?」
そうだ。
私は恥ずかしさはあれど内心では嫌がっていない。
ただどうしたらいいか解らないでいたのだ。
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