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第二章
42突撃新聞部
しおりを挟む学園内には様々な部活動が存在する。
貴族が大半の学園であるが国王陛下の意向で、豊かな心を育むのは趣味や特技を生かせる場が授業以外に必要だとのことだ。
新聞部もその部活動の一つだ。
中には将来記者になりたい生徒も部に所属しており、通常の学生の部活動とは思えないほど活発な活動をしている。
「これは王都一のスクープ」
「出た、新聞部で一番しつこいスッポン」
「失敬なシッポンです」
どっちも変わらないわ。
王都で最もしつこいと言われるスッポンの記者と言われる男の娘さんらしい。
スクープを追いかけて世界中を走り回ると言っても過言ではない。
学生の身であるが、突撃取材もバッチこいの人だから厄介だ。
「フィルベルト殿下!詳しくお聞かせください」
「いや…」
「殿下は幼少期の頃から婚約を断られてましたよね!思い人がいると…やはり彼女でしたか」
ここはまず否定をしてもらおう。
そうだわ、社交界で慣れておられるのだから楽勝よね。
「それは…その」
「そうなのですね!」
その含みある態度は肯定しているも同じではないか!
何で少し可愛く頬を染めて初々しい表情は!
乙女か!
「やはりそうでしかた!キャサリン様は先日婚約破棄をされましたから。気遣いで」
「あまり彼女の傷をえぐることはしないでくれ。それから俺の一方的な思いだ…そのような発言は」
「失礼しました。ですが、私達のような下級貴族や商人貴族はフィルベルト様には聡明な女性と結婚していただきたいのが本音です」
「そうなのか?」
「はい!高位貴族の事情は私達にはどうでもよい事です。王族の風紀を乱さない、尚且つバリバリ仕事ができる女性…すなわちキャサリン様が一番ふさわしいのです」
「いや…それは」
「フィルベルト様是非彼女を射止めてくださいね」
「ああ…」
もうこれ、無理じゃない?
既に彼女たちの間で決まってしまっているんじゃ。
「キャサリン様にもインタビューを!」
「はぁ?」
何で私に振られるの?
私から話すことはほとんどと言ってないのだから。
「先日から素晴らしい功績が続き、しかも感染病だけでなく干ばつに、聞けば侯爵夫人の病も治してしまわれたとか」
「正確には宮廷医師と王立研究員の方々の努力です。私ではありません」
「ですがその案を出されたのはキャサリン様ですよね!」
この人達私の話を全く聞いていないわね。
どう乗り切ればいいかのか困った私だったが、恋愛初心者の私は失念していた。
相手が何枚も上手であることに。
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