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第二章

13やりたいこと

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これまで私は真面な恋愛をした事がない。
そんな余裕はなかった。

悲しいことに前前世は仕事一筋に教職と言う仕事に命を懸けていた。


…というか忙し過ぎた。
前世でも同様だった気がする。


息をつく暇がないとは言わない。
でも私が王立学園に入ってから忙し過ぎた。

「お嬢様大丈夫ですか」

「エリー…」


私にお茶を淹れてくれるエリーは学園で私はクラスで泣かされた噂を気にしていた。

「まったく、なんて陰湿なのでしょう」

「はは…」


誤解されたままだったわ。

「私もまだまだね?人まで泣くなど」

「お嬢様は感情を殺し過ぎですわ」

まぁ第三者では氷の令嬢なんて呼ばれていたけど。
でもそれぐらい徹底しないと私自身の身を守れなかった。


「週末ぐらいはゆっくなさってください。来月は長いお休みですし」

「そうね。丸一日書斎に引きこもって本を読み漁れるわ」

「お嬢様…」

そうよ、好きな本を好きなだけ読もうかしら。
学園の庭園ほどの大きさはないけど我が他の庭も本を読むのに適している。

外でお茶を飲みながら好きな本を読める。
これまでは自分の好きな本を読めなかったし、経営学をもっと学んだり、サロンにも積極的に参加したい。


他にも資格をもっとたくさん取って卒業後は教員になるのもいいわ。


領地で寺子屋を作って、学ぶ機会のない子供達にも学問を教えれば将来の選択が増えるはず。


小学校を作るのもいいかもしれない。

「お嬢様、またお仕事の事をお考えで?」

「え?」

「楽しそうでしたので」

そんなに顔に出ていたのかしら?
第三者には私は常に仮面のような笑顔を張り付けている所為で何を考えているのか解らない。

氷の令嬢とまで言われていたのに。


「お嬢様の事なら解りますわ。旦那様も奥様もです。故に…」

「エリー?」

「この度の事は許せませんわ。私あのクソ男を殺しても殺したりませんわ」

「殺しちゃダメよ。そんなの時間と労力の無駄よ」

「やはりお嬢様はあの男の事を一ミリたりとも愛していなかったのですね!」

安心した表情で言う言葉じゃないんだけどね!


「幼馴染として婚約者として大切に思って来たつもりだけど、最初から縁がなかったのよ」


ゲームの補正力を覆す程に二人は愛し合っていた。
私と婚約中に心を殺し過ぎて爆発したようなものなのだから、これで少しは落ち着くわよね。


「今は二人の幸福を遠くから見守るわ」

「お嬢様…」


そしてもう関わりたくない。
これ以上醜聞は御免だし、今後の事を考えたいのだから。

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