伯爵令嬢の受難~当馬も悪役令嬢の友人も辞めて好きに生きることにします!

ユウ

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第二章

7間違い

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結局私の泣いた理由も真実も誰も知る事はなかった。
だって私の周りは誰も話を聞いてくれないのだから、この苛立ちをぶつけるべく勉強に励んだ。


なのに。



中間考査。

一位セルシア・キャンベル
二位キャサリン・クレイン


何でよ!
ケアレスミスもなかったはずなのに。


「追加点だ!」

「くっ…」

最後の問題で論文があったけど、発想力が評価されて彼女は追加点を貰ったそうだ。


「何故常日頃からアホ連発の彼女が一位で私が二位」

「残念だったねキャシー」

「殿下、愛称で呼ばないでくださいませ」

「冷たいな」


間違っても親しいなんて思われたら迷惑だわ。
我がクレイン家は伯爵家なのに、高位貴族に敵意を持たれたら大変だ。


「私のお立場をお考え下さい。傷物令嬢でしかも、父は中位貴族です。吹けば飛びます」

前世の失敗を繰り返さない為にも学園内でコネクションを作って強くなるわ。


「ははっ、君を飛ばすなんて宰相閣下が聞いたら激怒するね」

「この度の一件は彼等も責任を感じている。先日に父に俺が訴えたんだけどね」

はい?
王弟殿下といえば貴族派ですら手が出せない程のコネクションを持つ方だ。
母君は隣国の王女殿下で母君は現王妃陛下。

ちなみにだが、現国王陛下は正妃ではない。
本来なら王弟殿下が王となるはずだったが王位継承権を返上し、王位争いを避けたと聞く。


王族の中で一番血筋が良いのはフィルベルト様だ。
彼が殿下を立てているから今の所大きな摩擦は起きていない。

影ではあるだろうけど。

「父上が相当お怒りでね、なんせクレイン伯爵と父は旧知の仲だ」

「は?」

「母も伯爵夫人とは学生時代に知り合っていたんだが。当時は留学生で」


知らなかった。
だって交流はほとんどなかったはずだ。


「学校を卒業してから距離を置かれてね。けじめをつけるべきだと」

「キャシーに似て真面目だな」


確かに真面目なお父様が下級貴族と高位貴族が仲良くしているのを見られたら弱みを作ってしまう。

「特に母は当時体が弱かった。伯爵夫人は気にされてこっそり薬草や滋養によい野菜を送ってくれたが直接の槍とは無くてね」

「おかーさま」

そんなことをしていたの。
全く知らなかったけど、今まで気づかなかった。


「母が激怒していてね。まぁ体が弱いからその所為で寝込んだが」

「それって問題じゃないですか」


そう言えば前世では学校を卒業してすぐに公爵夫人は持病が悪化してその二か月後病死されたとか。


これってまずくないかしら。

「元から食が細い叔母上だったからな。一日中外に出ないで寝ているし」

「ああ」

いや、そもそも体に悪くないかしら?
病は気からというけど、お日様に当たらずずっとそんな生活をしていたら病気になるわ。


よし次の目標が決まったわ。

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