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第一章

24逆ギレ

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最後の言葉は少しだけ意趣返しをした。

「キャシー、なんて事を」

「馬鹿にするな!」


悲しそうにするオレリアにそれを庇うロイド。
これでは私が悪役令嬢のようだけど私は冷静だった。

だってもう愛情の欠けたもないのだから。


逆上したロイドがどうするかなんて解りきっている。
怒鳴りつけて私を責めて罵倒を浴びせるかもしれないけど、こんな公の場でする程馬鹿ではない。


「言葉が過ぎたようですね。申し訳ありません」

「キャシー…」

言い過ぎたという自覚はある。
でも、私も怒っているのだからね?

「ジュレイド様、どうかお引き取りください。この後大事な会議を控えております」

「キャシー!貴女は!」


冷静さを無くしている。
常に正しくあろうとする貴女らしくない行動だ。

そもそも絶対の正しさはない。


「見苦しいな」

「リシウス様!」

「オレリア嬢、これ以上醜態を晒すのは止めていただきたい」

「待ってください!私は…」

「私は君との関係は残念な形になったが友人として。この国を背負う者として手を取り合うつもりでいたのに失望したよ」

「何を…」

「何処までも見苦しいな。邪魔だからそこの腰巾着と出て行ってくれ」

「フィルベルト様、金魚の糞じゃないんですか?」


いや、ヒロイン以前に淑女としてアウトだわ。

「止めなさい。淑女がそんな言葉を使わないようにと言っているでしょう?」

「でも辞書に載っているんです。この方の言い回しは金魚の糞です!」

「貴様ぁぁぁ!」

流石に言葉が過ぎたのか剣を鞘から抜き襲い掛かろうとする。


「きゃああ!」

私は咄嗟に前にでて庇おうとするも。


私の周りに結界が敷かれる。

「わぁぁぁぁ!」

まるで拒絶するかのように結界に拒まれ電流が流れる。

「ロイド!これは王家の魔法…何で」

私の周りに囲まれている魔法陣は王家の魔法だった。

「何処までも馬鹿な連中だな、しかも女性に暴行するとは」

結界が解け、私達の前に出るのはフィルベルト様だった。

「どうしてフィルベルト様が…」

「オレリア嬢、この事は伯父上に報告させてもらおう。勿論ジュレイド侯爵閣下にも」

「そんな!」

「生徒会室でこのような問題を起こした罪は重い。つくづく愛想が尽きたよ」


絶対零度の空気が生徒会室の中に。
気温が下がったのは絶対に気のせいではないだろう。

「ロイド・フォーカス。君は自称騎士の癖に」

「自称じゃない」

「ほぉ?丸腰の人間、しかもか弱い女性に剣を向けるのが騎士か?笑わせるな…先日婚約者を突き飛ばし、暴行を働き大事にしておきながら」

「あれはキャサリンがしゃしゃり出た所為で、そもそも悪いのは彼女で…やらせだ」


私を悪者に仕立て上げたいのは解るけど無理はあるわ。

「そうお考えなのですね」

「あっ…いや」

勢いでつい言ってしまったのか。
何処までも馬鹿で短慮なのか涙も出ないわね。


婚約解消になって本当に良かった。

そう思っていた最中空気を読めない彼女が爆弾発言をした。

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