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第一章

22就任

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結局私は副会長の後任を受けることになった。
でも前世ではオレリアは一年生で生徒会の仲間入りを果たした。


「今期の生徒会幹部は以上になります」

「皆さん。生徒の代表となるように努めてください」


生徒会長と副会長の挨拶が終わり今期の生徒会役員が拍手をする。

私の副会長就任は問題になると思ったが、風紀委員を始める他の委員会の皆さんが賛同してくれた。

生徒会のリーダーは生徒会長であるが、その下で組織を動かすのは補佐だ。
ある意味会長よりも副会長の方が技量を問われるのだ。

だからこそ高位貴族ではない私が副会長に相応しいとの事だ。
片方聞いて沙汰する副会長は必要ない。

双方の声を聴き、尚且つ権力に屈しない生徒が相応しいとの事だが。
私を持ち上げ過ぎだ。

そんな折に。


「まぁ当然よね」

「ええ、あんな問題生徒が生徒会に…しかも副会長に立候補なんてね?」

「ちゃんちゃらおかしいな」

会議が終わった後に前任の幹部の皆さんが話していた。


「生徒会役員の候補だけでなく今後はジュレイドさんが生徒会に入る事はないでしょう」


入る事はない?
どうしてだろうか。

今年は無理でも来年がある。
生徒会か幹部でなくとも他にも役職はあるはず。

「この度の問題を起こす前に、問題を起こしていらした」

「この度の問題に関しても自分は悪くないと言い、被害者に対して詫びもないのだから」

聞き耳を立てるのは良くないのだけど、あれ以来私はあの二人に会う事を避けていたし。
宰相閣下は婚約解消の件と社交界で噂がこれ以上酷くならないように口添えをしてくださるそうだけど。

人の不幸を喜ぶ人間は多いので噂を広める人間は多いだろう。
他人の幸せは恨み、他人の不幸は密の味って言うしね。


「キャシー様、どうしたのですか」

「先ほどから顔色が悪いな…はやり副会長は気が重いか」

「心配ない。私達もフォローする」


私が副会長の役職にプレッシャーを感じていると勘違いをしているのではないのだけど。
どう言えばいいか解らないので笑って誤魔化すことにした。


とにかく既に底辺の私はこれ以上悪くならないのだから。
後は昇だけだ。


これ以上状況は悪くならないと思っていたのだけど。


「おい!いい加減にしろ!」

「困ります!」


生徒会室の前で他の幹部が騒ぐ声が聞こえる。

「俺は彼女に用事があるんだ」

「困ります!誰か風紀委員を呼んで」

「急いで!」


ああ、この声は。
何で生徒会室の前で騒動を起こすのか。


「キャシー様!私が結界を張ってバーンと飛ばしちゃいます」

「待て、それはまずいだろ」

流石王太子殿下。
間違った魔法の使い方はすべきではないと注意を。


「物的証拠が残る」


私に救いはないのか!
何でそんな方向に進むのか!


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