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第一章
9注意と逆上
しおりを挟む何故このタイミングで私に声をかけるのか。
第一校則に関しては風紀委員に何か言えるわけもない。
「風紀委員は君と同じクラスだろう?言いがかりをつけるんだ」
「言いがかり?生徒手帳にもちゃんと書いてあります。これではまるで駄々っ子だわ」
クラス委員でもある彼女は厳しい目を向ける。
だけど正論だ。
「そんな言い方はないでしょう!キャサリン貴女からも…」
「そうだ!なんて無礼な…特別科だからと調子に乗るな!キャサリン、君からも何と言ったらどうなんだ!クラスメイトが…」
ああ、どっちが間違っているかなんて明白だわ。
なのにギャア、ギャア叫ぶなんて。
「大きな声を出すのは止めてください。他の生徒が見ているのですよ。王家お膝元のセンチュリー王立学園の生徒がすべき行動ではありません」
「キャサリン?」
「風紀委員殿、私に発言権はございません。ですがご無礼をお許しくださいますか?」
既に生徒がこちらを見ている。
悪目立ちをしたくないのにこの二人の所為で最悪だわ。
だけどここで風紀委員の意に反する事をすべきではない。
彼等の顔を立てる必要もあるし面子を潰す事になりかねない。
「学園の風紀を守るべく、時間を割いてくださっている皆様の前で発言する許可をお許しくださいますでしょうか」
「かまいませんわ」
感情的にならずあくまで冷静だった風紀委員で助かった。
「慈悲深い対応を感謝いたします。その寛大なお心を持ってこの度の非礼をお許しくださいませんか?友人として変わって…そして婚約者として至らない態度をお詫びします」
「なっ…」
「キャサリン!」
「社交界でもルールが存在するように、私達にとって学園が社交場です」
二人は納得できない表情だった。
ロイドに至っては私を疑うような目を向けて来たが、間違っているのは二人だ。
「新入生は以下の通りの校則を守るとなっています。学園の校則三条第三章。校内で必要のない過度な装飾はしないこと。特別な理由が合ったり肌身離せない物は許可を取る事」
「何を‥」
「聖職者を志す者。または両親、一族の形見などは許可をするが、その場合も生徒会に許可を取る事。目立つようなら隠す事…となっています」
淡々と読み上げ二人に向き直る。
「二人共、学園に入る前にちゃんと生徒手帳を確認すべきだわ」
「そんなキャサリン!」
私は正論を言っているつもりだ。
正論だけが正しいとは言わないけど、風紀委員会の皆さんは紳士的な対応をしてくれている。
「風紀委員の皆さんは没収になる前に注意を促し、次回からは持ってこないようにと忠告してくださっているのです」
「だが!」
「見苦しいですわ。ここは学園ですわよ」
こんな聞き分けの無い人だったかしら?
騎士として、侯爵令嬢であるオリアナの傍にいて守っていたけど。
「私としても困りますわ」
「なっ!」
愛情は一ミリもないわ。
だって前世で私を裏切ったのだから。
恨んでないと言ったら嘘になるけど、私は彼に節度ある行動をして欲しい。
振り返った瞬間、私は背後を気に留めていなかった。
この時、ロイドがどんな表情をしていたなんて気づかずにいた。
「ふざけるな!」
「えっ?」
怒りで我を忘れたロイドが背後から私に掴みかかろうとしているのに気づかなかった私はいきなり腕を掴まれ驚いた余りにその腕を振りほどこうとした。
その瞬間…
私が腕を振りほどこうとした瞬間、階段から足を滑らせてしまった。
その時に、もう一つの記憶を呼び覚ましてしまった。
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