2 / 136
序章
2最後の訪問者
しおりを挟む
私の最期の願いを聞き入れてくれた両親は監視付きと言う事で彼女を部屋に入れてくれた。
学園で見た時と異なり髪の毛の手入れもまるでできていなくて。
手は労働の手だった。
服装は修道女の装いで、彼女は噂通り修道院に送られたのが解った。
王都の事も何も知らない私は外の事を聞きたいと告げ、彼女は快く教えてくれた。
廃嫡になった王太子殿下は地方に飛ばされた後に一代限りの伯爵位の地位を賜り領民に尽くしていると。
幸いにも、その領地は王都の醜聞は流れていない。
噂を寸前の所で止めたそうだ。
侯爵家に至っては親族と縁を切られたそうだ。
例え王太子殿下が浮気をしたとしても王家を糾弾する事は論外だと。
断罪事件に関与した貴族令息に令嬢も、噂に躍らせれ、真実の愛を求めた事で勘当されたとか。
「侯爵令嬢にいたっては…あまり情報はありません。ですが、キャサリン様の婚約者様とは上手く言ってないかと」
「何?」
「どういう事」
「私が追放の身になった後に私は修道女として二人をお見かけしたのですが…お二人共別のお相手がいらしたようで」
申し訳なさそうにする彼女に私はただ聞いているだけだった。
ようするにその時の空気に酔って勢いのまま駆け落ちをしたけど上手くいかなかったと言う事か。
言葉を選びながら話す彼女に私は違和感を感じる。
とてもじゃないけど婚約者のいる男性を奪うような悪女に見えない。
あの日の出来事を思い出す。
「君との婚約を破棄する」
私達が通う王立学園のパーティーで、王太子殿下は彼女を傍に置き婚約者に告げたのだ。
高位の貴族令嬢が婚約破棄を大勢の前で突きつけられるのは辛い事だろう。
傷物令嬢になるのは解りきっている。
そしてそんな真似をしたら王太子殿下も周りから責められるのにも関わらずあのような真似をしたのだ。
しかしそこで泣き寝入りしないのが我が親友だった。
「私との婚約を破棄するとはどういうことか解っていまして?」
「ああ、君の横暴な行動にはうんざりだ。罪のない生徒を苛めるとは」
「私はそのような振る舞いをしたつもりはありませんわ。ですが殿下がそのおつもりならば私はこの国を出ますわ。傷物になった以上は…」
「ならば私もお連れください」
「ロイド!」
「オレリア、私はずっと貴女をお慕いしておりました。ですが未来の王妃となる方と心を殺してまいりました」
大勢が見ている最中堂々と抱き合う男女。
はたから見れば駆け落ちし真実の愛を貫く姿だろう。
だが、私からしたらたまったものではない。
王家を糾弾しようとした後に侯爵令嬢は全てを捨てて国を出た。
あろうことにも私の婚約者がだ。
その後私が卒業前に晒し物になった後に婚約者の両親に責められた。
「何故止めてくれなかったの!」
「何をしていたんだ!」
私は先方の両親にこれ以上無い程責められ、この断罪劇で社交界の風紀は乱れてしまった。
そこから私の生活は一変し、責任を負わされる日々が続き。
当時は両親が王都を離れていた事もあり両親が王都に戻って来た時は手遅れだった。
過労で倒れて起き上がることもできず。
寝たきり状態になり、病を患ってしまったのだった。
その後、オレリアとロイドから連絡は全くなかった。
侯爵家は王家を見限ったという噂は聞き、貴族達は王家を見限ったという最悪な情報だった。
私は療養の為に両親と領地に戻ったが既に余命宣告をされたのだが。
後始末は全て終えた後だったのでその後の事は知らなかった。
学園で見た時と異なり髪の毛の手入れもまるでできていなくて。
手は労働の手だった。
服装は修道女の装いで、彼女は噂通り修道院に送られたのが解った。
王都の事も何も知らない私は外の事を聞きたいと告げ、彼女は快く教えてくれた。
廃嫡になった王太子殿下は地方に飛ばされた後に一代限りの伯爵位の地位を賜り領民に尽くしていると。
幸いにも、その領地は王都の醜聞は流れていない。
噂を寸前の所で止めたそうだ。
侯爵家に至っては親族と縁を切られたそうだ。
例え王太子殿下が浮気をしたとしても王家を糾弾する事は論外だと。
断罪事件に関与した貴族令息に令嬢も、噂に躍らせれ、真実の愛を求めた事で勘当されたとか。
「侯爵令嬢にいたっては…あまり情報はありません。ですが、キャサリン様の婚約者様とは上手く言ってないかと」
「何?」
「どういう事」
「私が追放の身になった後に私は修道女として二人をお見かけしたのですが…お二人共別のお相手がいらしたようで」
申し訳なさそうにする彼女に私はただ聞いているだけだった。
ようするにその時の空気に酔って勢いのまま駆け落ちをしたけど上手くいかなかったと言う事か。
言葉を選びながら話す彼女に私は違和感を感じる。
とてもじゃないけど婚約者のいる男性を奪うような悪女に見えない。
あの日の出来事を思い出す。
「君との婚約を破棄する」
私達が通う王立学園のパーティーで、王太子殿下は彼女を傍に置き婚約者に告げたのだ。
高位の貴族令嬢が婚約破棄を大勢の前で突きつけられるのは辛い事だろう。
傷物令嬢になるのは解りきっている。
そしてそんな真似をしたら王太子殿下も周りから責められるのにも関わらずあのような真似をしたのだ。
しかしそこで泣き寝入りしないのが我が親友だった。
「私との婚約を破棄するとはどういうことか解っていまして?」
「ああ、君の横暴な行動にはうんざりだ。罪のない生徒を苛めるとは」
「私はそのような振る舞いをしたつもりはありませんわ。ですが殿下がそのおつもりならば私はこの国を出ますわ。傷物になった以上は…」
「ならば私もお連れください」
「ロイド!」
「オレリア、私はずっと貴女をお慕いしておりました。ですが未来の王妃となる方と心を殺してまいりました」
大勢が見ている最中堂々と抱き合う男女。
はたから見れば駆け落ちし真実の愛を貫く姿だろう。
だが、私からしたらたまったものではない。
王家を糾弾しようとした後に侯爵令嬢は全てを捨てて国を出た。
あろうことにも私の婚約者がだ。
その後私が卒業前に晒し物になった後に婚約者の両親に責められた。
「何故止めてくれなかったの!」
「何をしていたんだ!」
私は先方の両親にこれ以上無い程責められ、この断罪劇で社交界の風紀は乱れてしまった。
そこから私の生活は一変し、責任を負わされる日々が続き。
当時は両親が王都を離れていた事もあり両親が王都に戻って来た時は手遅れだった。
過労で倒れて起き上がることもできず。
寝たきり状態になり、病を患ってしまったのだった。
その後、オレリアとロイドから連絡は全くなかった。
侯爵家は王家を見限ったという噂は聞き、貴族達は王家を見限ったという最悪な情報だった。
私は療養の為に両親と領地に戻ったが既に余命宣告をされたのだが。
後始末は全て終えた後だったのでその後の事は知らなかった。
76
お気に入りに追加
2,879
あなたにおすすめの小説

【完結】旦那様、わたくし家出します。
さくらもち
恋愛
とある王国のとある上級貴族家の新妻は政略結婚をして早半年。
溜まりに溜まった不満がついに爆破し、家出を決行するお話です。
名前無し設定で書いて完結させましたが、続き希望を沢山頂きましたので名前を付けて文章を少し治してあります。
名前無しの時に読まれた方は良かったら最初から読んで見てください。
登場人物のサイドストーリー集を描きましたのでそちらも良かったら読んでみてください( ˊᵕˋ*)
第二王子が10年後王弟殿下になってからのストーリーも別で公開中

婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~
ゆうき
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。
そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。
シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。
ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。
それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。
それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。
なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた――
☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆
☆全文字はだいたい14万文字になっています☆
☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆
乙女ゲームの正しい進め方
みおな
恋愛
乙女ゲームの世界に転生しました。
目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。
私はこの乙女ゲームが大好きでした。
心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。
だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。
彼らには幸せになってもらいたいですから。
婚約「解消」ではなく「破棄」ですか? いいでしょう、お受けしますよ?
ピコっぴ
恋愛
7歳の時から婚姻契約にある我が婚約者は、どんな努力をしても私に全く関心を見せなかった。
13歳の時、寄り添った夫婦になる事を諦めた。夜会のエスコートすらしてくれなくなったから。
16歳の現在、シャンパンゴールドの人形のような可愛らしい令嬢を伴って夜会に現れ、婚約破棄すると宣う婚約者。
そちらが歩み寄ろうともせず、無視を決め込んだ挙句に、王命での婚姻契約を一方的に「破棄」ですか?
ただ素直に「解消」すればいいものを⋯⋯
婚約者との関係を諦めていた私はともかく、まわりが怒り心頭、許してはくれないようです。
恋愛らしい恋愛小説が上手く書けず、試行錯誤中なのですが、一話あたり短めにしてあるので、サクッと読めるはず? デス🙇
加護を疑われ婚約破棄された後、帝国皇子の契約妃になって隣国を豊かに立て直しました
黎
ファンタジー
幼い頃、神獣ヴァレンの加護を期待され、ロザリアは王家に買い取られて王子の婚約者となった。しかし、侍女を取り上げられ、将来の王妃だからと都合よく仕事を押し付けられ、一方で、公爵令嬢があたかも王子の婚約者であるかのように振る舞う。そんな風に冷遇されながらも、ロザリアはヴァレンと共にたくましく生き続けてきた。
そんな中、王子がロザリアに「君との婚約では神獣の加護を感じたことがない。公爵令嬢が加護を持つと判明したし、彼女と結婚する」と婚約破棄をつきつける。
家も職も金も失ったロザリアは、偶然出会った帝国皇子ラウレンツに雇われることになる。元皇妃の暴政で荒廃した帝国を立て直そうとする彼の契約妃となったロザリアは、ヴァレンの力と自身の知恵と経験を駆使し、帝国を豊かに復興させていき、帝国とラウレンツの心に希望を灯す存在となっていく。
*短編に続きをとのお声をたくさんいただき、始めることになりました。引き続きよろしくお願いします。

【完結】義妹(ヒロイン)の邪魔をすることに致します
凛 伊緒
恋愛
伯爵令嬢へレア・セルティラス、15歳の彼女には1つ下の妹が出来た。その妹は義妹であり、伯爵家現当主たる父が養子にした元平民だったのだ。
自分は『ヒロイン』だと言い出し、王族や有力者などに近付く義妹。さらにはへレアが尊敬している公爵令嬢メリーア・シェルラートを『悪役令嬢』と呼ぶ始末。
このままではメリーアが義妹に陥れられると知ったへレアは、計画の全てを阻止していく──
─義妹が異なる世界からの転生者だと知った、元から『乙女ゲーム』の世界にいる人物側の物語─


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる