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番外編
幼き女王の爪痕⑥
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一週間後、ミカエルは戴冠式を無事に迎えった。
国民から祝福されて最年少で継承権を受け継ぎ、同盟国、正教公国からも祝われていた。
「メアリ、これからもよろしく頼むぞ」
「はい」
太陽の光がミカエルの未来を照らし、明日への光は輝いている。
そう心から思った。
「だが、気になったんだが」
「はい?」
「リーシャとギーゼラがやたらと機嫌が良かったんだが」
「何か良い事があったのでしょうね」
「だが愛用の鞭を握りしめていたんだがな」
離れた場所で夫の二人は胃を抑えている。
「ハインツ」
「聞かないでくれ。情けだ」
「ああ」
狂暴な妻を持つ夫は胃を押さえながら震えていた。
メアリも何も見なかった事にしながらも戴冠式は滞りなく終わった後日。
「鬼畜外道を痛めつけるのって、なんて心地よいのでしょう」
「ええ癖になりまそうです」
ラセンドル帝国の皇族の生き残りは逃亡を図ったが、二人が網を張り拘束した後牢獄に幽閉した。
その後、終身刑として疫病に苦しむ民の世話を義務付けられた。
逃げようとしても不可能で彼等は一生労働を強いられるのだが、一つだけ不思議だったのは。
「あの馬鹿一族はどうして感染しなかったのかしら」
「ええ、それだけは不思議ですね」
リーシアが一番不思議に思ったのは、感染する看護師や医師はいても、皇族達は感染する事はなかったのだ。
「病原菌にも嫌われているのかしらね」
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時の記録者も知る事はなかった。
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