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番外編

元伯爵のその後④

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魔熊は野生の熊と異なり知能が高い。
洞窟にて井戸水を作り、食べ物を保管しておくのだ。


中でも大魔熊は寝る場所を拘り、寝所を手作りしていたのだ。
そして、彼等は巣を荒らされるのをとても嫌うのだ。


同種族でも争いになるのだが、それが人間だったのなら尚更だった。


「グァァァ!」

「ひぃぃ!」

「きゃああ!」



二人は魔熊に気づき悲鳴を上げて逃げようとするも魔力を持たない二人は成す術などあるはずもない。

火はこの状況で焚く事はできない。武器もないので丸腰状態だった。


「死んだふりだ…そうだ死んだふりを」

「ええ、死んだ…って臭いわ!」


直ぐに死んだふりをしようとするも匂いがきつすぎて鼻を手でつまむも。


「ギシャァァァ!」

「馬鹿者!何をしているんだ!」

「だって!こんな獣臭いなんて耐えきれませんわ」


臭いと思い、鼻をつまんだのが余計悪かった。
プライドの高い魔熊は怒り狂って遅いかかって来たのだ。


「逃げろ!」

「ひぃ!」


入り口と反対側から逃げ出すも、その先は。


「きゃああ!」

「わぁぁぁ!」


崖になっており、二人はそのまま川に落ちてしまう。



最終的に泥だらけで裸同然で川に溺れた後に、隣の領地で確保され。


二人は無残な姿で連行され、新聞で大きく取り上げられる。



『カートン家の最後』

『因果応報の一家』


新聞に載った二人は最後に息子共々、終身刑となり二度と太陽の光を得ることなく永久労働を強いられることになるのだった。



狭い牢屋で親子三人で過ごしながら互いにいがみ合い罵り合いを続ける光景は醜く、監視役も呆れる程だったが三人だった。




彼等が二度とメアリの前に現れる事はなく、ある作家が彼等を物語にして悪事を働くとどうなるか面白おかしくしたのは本人達だけが知らなかった。

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