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最終章白の治癒師
6モリガン伯爵家
しおりを挟む裁判の調節が行われた頃、モリガン伯爵家は窮地に立たされ裁判への出席を拒否していた。
弁護士は裁判の参加を促すも、逃げ続ける二人に頭を抱えていた。
「お前は弁護士だろ!なんとかしろ」
「そうよ私達は被害者よ!娘もこんな事になって…そもそもメアリはなんて薄情なの!あんなに仲良くしていたのに、助けもしないなんて」
「メアリ様は今回の裁判に関しては国の法律に従うまでと。本来ならば即逮捕され、刑務所行になってもおかしくなかったのを温情をかけてくださったのですよ」
「だったらユーフィリアは悪くないと証言してくれればよかったのに」
「そうだ。あれだけ良くしてやったんだ…少しの見返りをもらっただけだろう。男女の関係に関してはアークが原因だろう…第一婚約者の暴走を止められなかったメアリにも問題がある」
(この二人は…)
情けをかければやりたい放題、言いたい放題。
今までメアリが大人しい事を良い事にどれだけ搾取していたか理解をしていないのか。
「では裁判に出る気はなく、この判決にも従わないと」
「当然だ。何故私達がそんなことを」
「頭を下げで謝るべきはメアリでしょう?娘がこうなったのは誰の所為よ…これでは高位貴族と婚約することもできないわ。ただの金食い虫になってしまったじゃない!」
「役立たずを捨てようにも…」
既に寝たきりの娘が隣の部屋で聞いているにも関わらず酷い言いぐさだった。
二人にとってユーフィリアは道具でしかない。
自分達が優雅に暮らしていくための道具で、既に用済みになっている。
「解りました」
「そうか、ようやく理解したか…」
「ええ、先ほどの会話をすべて裁判長に伝えましょう。お二人は国の法律に従うどころか、被害者であるメアリ嬢を侮辱した証言を提出いたします」
「はぁ?」
「現在、慰謝料の支払いも滞っておりますので、お二人は法律違反をしている以上は、領地召し上げだけでは済みません。本日は最後通告だったのですが致し方ありません」
「ちょっと!どういう…」
「裁判の出席を拒み、被害者に対する暴言。他にもございますが、即逮捕状が出せます」
「貴様!弁護士の癖に…」
「私は国の法を守るのが仕事です。モリガン伯爵、貴方が長年横領した罪は隠しきれませんよ」
弁護士が冷たいく言い放ち、鞄から手紙を取り出す。
手紙には国の紋章が刻まれていた。
既に、裁判に出席しなくとも強制的に逮捕できるものだった。
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