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第三章真実の聖女

35膿を出す為に

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「本当に馬鹿は馬鹿のままだな」


風紀委員達に押さえつけられている女子生徒に呆れたように告げるのはソーマだった。


「田舎貴族で悪かったな。成金貴族に言われるいわれはない。一代限りの貴族風情が」

「金で爵位を買っただけで、しかも親の権力に噛り付くしかない甘ちゃんとシンディーを比べるまでもないだろう?」

「なっ…」


皮肉めいた言葉を言われて暴れるも。


「魔法は使わないことを進めるぞ。じゃないと」

「煩い!」

怒りで我を忘れて火の魔法を使おうとするも。


「きゃああ!」

足元が燃え服に火がつく。


「だから言ったんだ。止めろと」

「何で…熱い!」

「本当に馬鹿だな…白の大魔導師を慕う精霊が許すわけないだろう」



白の大魔導師とは精霊から愛される存在だった。
正式に力を継承し、四冊のグリモワールが認めた今、上級精霊が許すわけもない。


「水だ」

「きゃあ!」

シンディアは水の魔法で火を消すも、迸った水しぶきで自分の顔がはっきりと映る。


「いやぁぁぁ!私の顔が」

「見るに堪えない醜さだな。皮膚が焼けている…」


「やめてぇ!」

シンディアは複数の水しぶきを出して鏡にして更にその醜い顔を映し出す。


「私の水魔法は氷に近いからな、綺麗に映る。ほら、もっと見ないか」

「シンディー」

「えぐい…」


メアリは怯えながらその光景を見ていた。
元から悪人に情け容赦の無いシンディアだったが、どっちが悪人か解ったものではない。



「証言もばっちりだから婚約者に送って醜い映像を流してやろう」


「止めてぇぇぇ!」


既に学園側から退学処分を受けてる彼女達は将来がない。
その上、実家にも影響が出て婚約も白紙になれば王都で生きていくことはできない。

「いいではないか?田舎貴族と違って、お前達は金も地位もあるのだろう…金をバラまいて婚約者を買えばよい。まぁその醜い顔でどんな男が釣れるか解らないが」

「お言葉ですがシンディア様、既に彼女達の親は脱税や汚職事件を起こしているのが解りましたので財産は取り上げとなります」


「そんな!」

「まぁ公になっていませんが裁判沙汰になるでしょう…貴女は無一文ですよ」


お金も地位も、権力も失い。
貴族で亡くなるだけでは済まない事を宣告される。


「それから聖職者を拉致し、乱暴しようとしたことは罪になります。罰金はこれ程に」

「ひぃ…」

黙っていた後ろの女子生徒に金額を叩きつけるのだが…


「私達は無理矢理付き合わされたのよ」

「そうよ止めたのに、勝手に彼女が」

「ちょっと!裏切る気!」

責任の擦り付け合いが行われるも。


「お前達の犯行はしっかり録音されている。今さら無理だ」

「罪を擦り付ける前に謝罪をしようと考えないとは…罪を追加してくれるわ!」


こうして彼女達はそのまま生徒会と風紀委員に連行された後に風の噂で退学と同時に婚約破棄となった事を知らされるのだった。


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