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第三章真実の聖女

14失ったスキル

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時は遡る事数時間前。
不本意な形でBランクの森に同行することになったアークは戦闘態勢になってすぐ。


「魔物が現れたぞ。まずは…おい!」

先輩騎士の支持を聞かずに勝手に魔物に切り込もうとした。


「勝手な真似を!」

「サポートに入ります」

後方支援に来ていたもう一人の魔術師が援護しようとするも。


「おい!何をしているアーク!」

「早く魔物を…」

スキルを使って魔物を浄化する事ができる聖騎士のスキルを発動しないアークに違和感を感じた。


「何故だ…光の剣が」

「スキルが全く発動されていません。むしろこれは…」

「何を言っているのよ!そんなはずないでしょ!」


ユーフィリアはもう一人も魔術師を突き飛ばした。


「きゃあ!」


「バレッタ!」


突き飛ばされた先には魔物が傍にいて。


「きゃああ!」

大蛇に襲われた魔術師バレッタ。
助けようにも牙をつきつけられ手が出せなかった・

「何をしているんだ貴様は!」

「下がれ!」


「閣下!」

大蛇に捕まるバレッタを救うも、囲まれてしまっている。


「ユーフィリア嬢!炎で…」

「嫌よ…その間に襲われたらどうするのよ!」

「貴方はそれでも魔術師か!」

「だったらアンタがすればいいでしょ。私の体に傷でもついたらどうするのよ!」


人間は危機的状況になると本性が出る。
この言葉はユーフィリアの偽りなき本心だった。


一方前衛部隊では。

「アーク!もう一度スキルを…」

「うわぁぁぁ!」

「何を!」


すぐ傍にもう一体の大蛇が襲って来たのでアークは仲間を突き飛ばして逃げたのだ。


「リオン!」

「急いで治癒を!」


同行していた治癒師が治癒を施すも戦場は危機的状況かにティエルドと専科の騎士が援護して二体の大蛇を倒す事が叶ったのだが、戦場を混乱させ仲間を犠牲にしてまで身の安全を優先した聖騎士アークの悪評が王都でも広まった。


そして自称聖女と名乗っていたユーフィリアも自分の為に同じ魔術師を突き飛ばして助かろうとした事は噂になり、学園では勿論、ギルドの間でも噂が広まってしまった。



死傷者はいなかったが、ティエルドが負傷したが重傷者はいなかったことが幸いだった。


人々を苦しめていた大蛇は退治でき、大蛇から取れる血は上級ポーションにも勝る特効薬とする事が出来たので、病を治す薬にもでき感謝されたのだが。


逃げ出した二人に裁きが下ることになった。




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