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第二章魔導士の条件
29双方の意見
しおりを挟むミカエルは今回の計画をシンディアにある程度伝えられていた。
メアリが部屋に引きこもっている間にソーマの使い魔があの二人に接触して噂を流したのは誰かと伝える為に。
こちからから言うよりも本人が知った方が良いと。
「僕は…」
「いい加減にしろ。お前はアイツを一生鳥籠に囲うのか」
「そんな!」
「メアリは馬鹿だが、そこまで愚かか?現実を知ってもちゃんと受け入れるはずだ…そうでなくては困る。白のグリモワールの後継者である自覚を持たせるべきだ」
「流石鬼畜外道ですわ」
「あ?お前達が無責任な事をするからだろ」
双方に言う事は間違いではない。
ミカエルの庇い方はメアリの為にはならないが、ユリウスのやり方はあまりにもメアリの心を無視していた。
「貴女は、メアリ様を何だと思ってますの」
「猪」
「そうですか、そんなに死にたいのですね」
「リーシャ、グリモワールを取り出すな!」
ユリウスの発言が許せないリーシェは既に戦闘態勢になっている。
「俺はメアリがそんな弱い女とは思わない。あの混乱を止め、一人突っ込んで行った無能さはあれど、忍耐力もあるはずだ…悪女にされても笑っていたアイツがそんな弱い女か?」
「例え強くとも、傷つかないわけがないだろう!彼女は人知れず泣いていた」
「なら強くなるべきだ。それぐらいで…」
「ユリウス。メアリは女性だ…十年以上も尽くした婚約者、姉のように慕う友に裏切られて平気で入れれるか」
双方に言い分は正論故に譲れなかった。
傷つかないように厳し現実を突きつけ常に厳しくするユリウスに、これ以上傷つかずに守りたいミカエル。
「白のグリモワールは愛と慈悲だ」
「優しいだけが愛情じゃない…」
終わりなき口論だったが。
「いい加減にしろ!喧しい」
冷たい冷水がかけられる。
シンディアの魔法により冷水をかけられる。
「彼女は生徒会の人間だ。今回の事は私達に一任していただきます」
「「はい…」」
「男と違って女は強いですから心配なく」
強引にシンディアに押された結果、彼等は見守るしかなくなった。
(だが…こんな事になるとなんて)
二人が食堂でこんな暴行を働いているとは思わなかった。
その現場を見てしまっただけではなく以前に靴を焼却炉の捨てられた映像まで見せられるなんてあんまりだと思うミカエルはかける言葉がなかった。
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