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第二章魔導士の条件

14監督生代表として

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噂の流れがあまりにも早く、原因がメアリという時点で犯人は誰か明らかだった。


「一般科の高等部ではメアリがとある生徒を妬んで今回の事件を引き起こしたと噂する者もいるが…普通に考えればおかしいと思うだろ」

「明らかに彼女を悪女に仕立て上げている。頭の良い人間ならすぐに解る」


シンディアとソーマの言葉は正論だった。
メアリが攻撃魔法や呪いを使えるはずがないと知る者は多い。

そもそも治癒魔法と結界魔法しか使えないから冷遇されていたのだ。

なのに今さらになって使えるはずがない。


「頭が悪いにも程があるな」

「ただ、あの呪いをメアリが解いた事で疑いもあるのも確かだ」


二人はメアリを疑うわけではないが、宮廷魔導師でも困難な呪いを解けたのは何故か知りたかった。


「彼女から銀色のマナが見えた…もしや彼女は」

「お察しの通りです」

シンディアは既にメアリの正体に感づいていた。

「やはりそうか」

「ソーマ先輩も気づいていらしたのですね」

「ああ、俺の魔術書グリモワールは魔力を判別する事ができるんだ。俺の祖先は巫女シャーマンだったからな」


特殊な魔力を持っている事には気づいていたが、魔牛の事件まではソーマのグリモワールは反応しなかった。


「俺のグリモワールが光を放った理由」

「そして私の能力の一つ、魔力を判別する力がある」

差し出したのは水晶玉だった。


「混じりけの無い魔力を持つのは…」

「「白の大魔導師様!」」


二人の声が重なった。


「もう隠しても無駄だろ」

「ユリウス…」

「察しの通りです。彼女は白のグリモワールの継承者で間違いありません」

ユリウスがミカエルに代わって代弁する。


「やはりそうか」

「学園長からは何も聞かされていないが…彼女には多くの可能性がある。監督生補佐に選ばれたのは彼女の実力だ。それを否定する事は許さん…必死に頑張っている人間を侮辱することはな」

「ああ、何より彼女は生徒会の人間で俺達の可愛い後輩だ」

二人は監督生として生徒を守る義務がるが、メアリを利用し悪女に仕立て上げる生徒を守る義理はなかった。


「以前から彼女の噂で気になった事がある」

「その真偽を確かめる為にもミカエル様、リーシア様、ご協力願えますか?」


二人は既に白黒をはっきりさせていた。
完全なる黒が解った後に、全ての問題に決着をつけるべく舞台を整えるつもりだった。


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