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第一章婚約破棄と白のグリモワール
8王子とその一行
しおりを挟む北の領地を守る身として。
そして傷ついた兵士を、騎士を救う治癒師としての誇り故にメアリは彼等を憎まなかった。
彼等はユーフィリアを慕っている。
学園でもマドンナ的存在で聖女としても慕われている。
噂の出所は解らないが、メアリはユーフィリアを悲しませたのは本当だからこそ何も言わなかった。
「おい、何とか言ったらどうだ」
「死にぞこないが…呪いをかけられる前に焼き払え!」
「うっ…」
攻撃魔法を仕掛けられたら無事で済まない。
魔法をぶつけようとした瞬間。
炎が逆噴射した。
「えっ…」
「なっ…俺の魔法が」
発動した魔法はメアリを傷つけることなかった。
「うら若き乙女に対して随分と野蛮な真似をするものだ」
低い声が響く。
まるですべてを圧倒すような声に騎士科の生徒はその場に倒れこむ。
「ぐっ…この魔力は」
「なんて威圧感だ」
「体が押しつぶされる!」
空気が重くなり騎士科の生徒はその場に倒れて、重力により体が叩きつけられる。
「我が姫に危害を加えるとはどういう了見だ」
「「「は?」」」
現れたのは黄金のグリモワールを片手に現れたミカエルだった。
「何をしていますの?」
「王女殿下!」
遅れて現れたのは青いグリモワールを手に持つリーシアだった。
「魔力で叩きつけるなんて生ぬるいですわ。国家反逆罪を犯した愚か者!今すぐ極刑ですわ」
「おのれ、無礼者めが!」
リーシア同様にギーゼラも剣をかかげ睨みつける。
「なっ…王子一行様!何故!」
「こんな蛮民に…ぎゃあ!」
メアリを侮辱しようとした騎士科の生徒を鷲掴みする。
「今すぐその口を閉じろ。そうでなくば永遠に言葉を聞け無くしてくれるは外道が」
「なっ…あがが!」
ダークエルフ族のギーゼラは人にない力を持つ。
腕力以外に魔力を奪い死に至らしめる事も可能だった。
「ギーゼラさん!」
「この者は貴女を害しました。生かして置けません」
「でも!」
ダークエルフ族は一度受けた恩は死んでも忘れない。
特にダークエルフ族の中でも戦士としして育ったギーゼラは、騎士となる者が女性に暴力を振るった事が許せなかった。
「お願い止めて…私はそんなの望んでない」
「解りました」
騎士科の男子生徒達は安堵したが。
「このまま水でも被り反省せんか!」
「「「わぁぁぁ!」」」
怪力で三人の騎士科の男子生徒を噴水に投げ込む。
「氷の棺でゆっくり反省なさい」
リーシアの冷たい視線により、三人は凍傷を負い二週間入院した後に今回の騒ぎの元凶として退学お呼び騎士失格のレッテルを貼られてしまうのだった。
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