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第一章婚約破棄事件

27.第三者視点~セレニティーside

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社交界にお母様がまったく出てこなくなって、影響を受けたのは高位貴族だった。
商人とのやりとりが滞り流行のドレスが手に入らない。

男性はお酒や贅沢品もこれまでのように手に入らないので輸入に頼らなくてはいけない。
貿易をしようにも語学が堪能な通訳を紹介してもらう事もできなかったりと不便な状況に影響が起き始め。


学園側もその影響が起きたのだった。
まずは学食のメニューが極端に減り、パンの品質も悪くなった。

何故ならパンに使われている塩が帝都に少ししか仕入れることができなくなったのだ。

塩だけじゃなく高価な砂糖や上質な小麦粉もだ。
これまでお母様が農家との関係を良くして良心的な価格取引をしていたけど。

お母様が商売を辞めてしまって滞った。


…と言う事になっている。


お母様が公の場に立たなくなって二週間。
お兄様の看病の為に社交界にも、商会にも顔を出さずに領地に引っ込んだけど。


裏でこっそり貿易はしている。
ただ帝都内で今までのように活発にしていないだけだったのだ。


「セレニティー様!」

「大丈夫ですか」


私の友人であるスーニャ様とアリエッタ様だった。


「お聞きしましたわ。お母様の事」

「社交界から追放されたとか」

追放ではないんだけどね。
お兄様が馬鹿一行に巻き込まれて怪我をしてしまったから怒ったお母様がお仕置きをすることにした。


「リリアン様も、学園から追放さなるなんて…殿下は酷すぎますわ」

「ええ…先日の事件も」


あの茶番劇は多くの生徒も見ていたから仕方ない。


「そう言えば、例のなのですが」

「ええ、問題のですわね」


今回の騒動を引き起こしたきっかけにとなった例の少女の事だろう。


「ここ最近学園に来ていないのですが、ずっとお休みをされていて」

「それである噂が浮上したのですが…」


私は二人の話に耳を傾けようとした時だだった。
周りが騒がしく感じた。


「おい、セレニティー・トリアノン!」


私達の教室に一人の男子生徒が怒鳴り込んで来た。


「今すぐ出てこい!いるのは解っているんだからな」


公衆の面前で怒鳴り声をあげてマナーもまるでなっていない。


「何ですのあの方?」

「ほら、例のお馬鹿一行の下っ端ですわ」


ああ、そう言えいたかも。
取り巻きの中で一番目立たなそうなチビが。


やたらと私やリリアン様に絡んできてはいちゃもんを言う馬鹿。





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