訳あり伯爵夫人の憂鬱な溜息~旦那様が今日もブチ切れそうで困っています!

ユウ

文字の大きさ
上 下
35 / 48
第一章婚約破棄事件

23.母として

しおりを挟む



幼少期から探求心が強いセレニティーは薬品の研究も力を入れていました。
効果もあるのですが、副作用もでますが。


「まぁ命に別条がないならば良い事にします」

「伯爵夫人、いいのか」

「はい、男の子はこれぐらいざっくりの方が」


基本我が家では、ざっくりした子育てをして個性を伸ばしています。


「それに、レオナルドが寝たきりで重傷と言う事にすれば好都合ですわ」

「「え?」」

「伯爵家の令息に重傷を負わせた事実が大事なのです」


そう、私の息子に手を出した時点で穏便に済ませる気は毛頭ありません。

「今度の夫人会で少し報復をしようかと思います。そうですね、馬鹿をしたご一行にも反省をしていただきますわ」

「レティー…何を」

「他所様を傷つけたのですから、それ相応の報いを受けていただきます。社交界を騒がせますが、よろしゅうございますか?侯爵様」


「何を考えているか解らないが、伯爵夫人が間違った事はしないと信じているよ」

「ありがとうございます」


十年近く密なお付き合いをさせていただいた賜物でしょう。
侯爵様は私に信頼を置いてくださっています。


「私は一人の親として、我が子を侮辱し、心を傷つけた者には当然の報いを受けていただきたいのです」

「レティー…」

「旦那様、私はレオナルドが怪我を負うまでは穏便にと思ってました」


学園で起きている事件もそうです。
婚約者の暴走により社交界で笑いものにされている令嬢達はどんな思いか。

「女故に、耐え忍び我慢を強いて、不義を行う令息はなんのお咎めもなし。逆に婚約者の心を繋ぎ止められないことを責めるなど許されますか?」

「許されるわけがないだろう」

「ええ、ですから私も少々強引な手を使いますわ」

ただし、私は人の道に反することは致しません。


「先生、私にも協力させてください」

「しかし、お嬢様は…」

「レオは私の所為で怪我をしたんです。もう我慢できません」

ずっと耐え忍んでおられたお嬢様の気持ちを考えると頭ごなしに反対できませんでした。


「リリアン、少し落ち着かないか」

「でもお父様!私は…悔しゅうございます」

婚約者にずっと冷たくされ、顧みられることがなかったお嬢様はどんな気持ちなのか。

「リリアン、今ここでお前が出れば悪化する」

「私はもう耐えられません」


責任感が強すぎるお嬢様の気持ちを考えるとどうしたものか。

「伯爵夫人、少し話がある。リリアン…席をはずしてくれるか」

「お父様…」

「大丈夫だ。悪いようにはならない」


お嬢様は渋々納得されましたが、侯爵様は私に何の話があると言うのでしょうか。


しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。

朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。 婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。 だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。 リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。 「なろう」「カクヨム」に投稿しています。

何故、わたくしだけが貴方の事を特別視していると思われるのですか?

ラララキヲ
ファンタジー
王家主催の夜会で婚約者以外の令嬢をエスコートした侯爵令息は、突然自分の婚約者である伯爵令嬢に婚約破棄を宣言した。 それを受けて婚約者の伯爵令嬢は自分の婚約者に聞き返す。 「返事……ですか?わたくしは何を言えばいいのでしょうか?」 侯爵令息の胸に抱かれる子爵令嬢も一緒になって婚約破棄を告げられた令嬢を責め立てる。しかし伯爵令嬢は首を傾げて問返す。 「何故わたくしが嫉妬すると思われるのですか?」 ※この世界の貴族は『完全なピラミッド型』だと思って下さい…… ◇テンプレ婚約破棄モノ。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

真実の愛に婚約破棄を叫ぶ王太子より更に凄い事を言い出した真実の愛の相手

ラララキヲ
ファンタジー
 卒業式が終わると突然王太子が婚約破棄を叫んだ。  反論する婚約者の侯爵令嬢。  そんな侯爵令嬢から王太子を守ろうと、自分が悪いと言い出す王太子の真実の愛のお相手の男爵令嬢は、さらにとんでもない事を口にする。 そこへ……… ◇テンプレ婚約破棄モノ。 ◇ふんわり世界観。 ◇なろうにも上げてます。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

断罪茶番で命拾いした王子

章槻雅希
ファンタジー
アルファーロ公爵嫡女エルネスタは卒業記念パーティで婚約者の第三王子パスクワルから婚約破棄された。そのことにエルネスタは安堵する。これでパスクワルの命は守られたと。 5年前、有り得ないほどの非常識さと無礼さで王命による婚約が決まった。それに両親祖父母をはじめとした一族は怒り狂った。父公爵は王命を受けるにあたってとんでもない条件を突きつけていた。『第三王子は婚姻後すぐに病に倒れ、数年後に病死するかもしれないが、それでも良いのなら』と。 『小説家になろう』(以下、敬称略)・『アルファポリス』・『Pixiv』・自サイトに重複投稿。

婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?

Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」 私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。 さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。 ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?

もう私、好きなようにさせていただきますね? 〜とりあえず、元婚約者はコテンパン〜

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「婚約破棄ですね、はいどうぞ」 婚約者から、婚約破棄を言い渡されたので、そういう対応を致しました。 もう面倒だし、食い下がる事も辞めたのですが、まぁ家族が許してくれたから全ては大団円ですね。 ……え? いまさら何ですか? 殿下。 そんな虫のいいお話に、まさか私が「はい分かりました」と頷くとは思っていませんよね? もう私の、使い潰されるだけの生活からは解放されたのです。 だって私はもう貴方の婚約者ではありませんから。 これはそうやって、自らが得た自由の為に戦う令嬢の物語。 ※本作はそれぞれ違うタイプのざまぁをお届けする、『野菜の夏休みざまぁ』作品、4作の内の1作です。    他作品は検索画面で『野菜の夏休みざまぁ』と打つとヒット致します。

婚約破棄された悪役令嬢。そして国は滅んだ❗私のせい?知らんがな

朋 美緒(とも みお)
ファンタジー
婚約破棄されて国外追放の公爵令嬢、しかし地獄に落ちたのは彼女ではなかった。 !逆転チートな婚約破棄劇場! !王宮、そして誰も居なくなった! !国が滅んだ?私のせい?しらんがな! 18話で完結

処理中です...