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第六章
32.憎しみの暴走~マリアンヌside
しおりを挟む私はお母様にまでも裏切られたのかと思った。
「ここまであったり捕まるなんて、本当に馬鹿です事」
「お母様は私を売ったの」
「どうしてそういう考えしかできないんだ…トリアノン夫人がどんな思いか考えたことはないのか」
「ロミオ様!どうして…どうしてよ!」
何故そんな目で私を見るの?
私を好いていたんでしょ?
「ロミオ様、私を愛しているなら!」
「ハッ、馬鹿も休み休みにしてくれ」
私を見下すような目で見て言葉を吐き捨てる。
かつて私の心が欲しくて婚約を望んだんじゃないの?
「エリーゼに騙されているのよ!あの女は最低な悪女よ!」
「いい加減になさい!よくも抜け抜けと…」
「化け物は黙ってなさい!」
私に意見するなんて何様なの!
老婆のような髪をしてる癖に私に歯向かうなんて!
「シルビア様は化け物ではありません」
「は?」
平民の娘が私を睨みつけた。
「私からすれば貴女のような口汚く罵倒する方の方がずっと化け物のように思えます」
「この私が化け物ですって?」
「エリーゼ様は一度だって貴女を責めた事はありません、あの方は誰かを傷つける事はなさいません」
平民の分際で!
大体あの女は人気取りをしているだけよ。
「媚びるのは上手いだけでしょ…あんな女」
「何を言っても無駄だ。性根がここまでねじ曲がっているとは…エリーゼへの劣等感か」
「私がどうしてあの女に劣等感を抱くのよ!」
私はあの女よりも優れているのよ。
一人じゃ何もできないエリーゼは誰かの手を借りないと生きていけない。
「あんな奴、誰か助けてもらわないと生きていけないじゃない」
「それの何がいけませんの?人は支え合って行かないと生きて行けないわ」
「は?」
皇女が私を睨みながら告げた。
「貴女は一人で生きて来たとでもいいたげね?馬鹿を言わないで。一人で生まれ、一人で何でもしてきましたの?一人では何もできないのは誰?少なくともエリーゼ様はご自分一人でできる限界を知っていらっしゃる」
「何を…」
「だからこそ誰かの手を借りなければならない。でも、一人でできないことを二人でならできる事を一番理解されている。だから皆は手助けしようとする…貴女の独りよがりは違いますわ」
私が独りよがり?
「エリーゼ様は守り、守られる意味を理解されている。だから優しい…貴女のような方に誰が手を貸しましょうか。誰が愛しましょうか…誰も信じていない貴女には無理ですわ」
違う…。
私は違うわ!
あの女と私は違う。
好き勝手言うな。
「黙れぇぇぇ!」
私の中で何かが切れた気がした。
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