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第六章
22.私の妖精さん~王女side②
しおりを挟むこれまで私はまずくてもその場で口にしなかった。
だけど耐えられない!
「まずい!」
何このケーキ!
スポンジは固いなんてレベルじゃない。
中に挟んでいるクリームが悪い。
デコレーションされている生クリームも固くて口の中に砂がはいったみたい。
急いでアイスティーを飲むも。
甘すぎで舌が痺れそうで吐き気が襲って来た。
妖精さんに貰ったパンと雲泥の差だわ。
あのパンは柔らかくて下の中で解けるようだった。
甘さも優しい味ですごく美味しかった。
だからこそ余計にこの店のケーキがどれだけ酷いか解る。
そんな私に一人の女性が味が解らないと罵倒を浴びせた。
私はこれでもブロード王国一の鋭敏な舌を持っている。
なのに酷いわ!
私を庇う様にお祖母様がその女性を批難したけど悪いのは私とお祖母様だと決めつける。
温厚なお祖母様も耐え切れずにいた最中。
妖精さんが現れた。
「お祖母様!妖精さん!」
私は急いで妖精んさんに抱き着くと優しく抱きあげてくれた。
モフモフしてお日様の香りがさっきまでの嫌な気分を洗い流してくれようだった。
事情を話すとお祖母様の表情は穏やかになるけど、さっきの女性が私達に噛みついて来た。
しかもあろうことに王配のお祖父様に危害を加えた事を知らされ再びお祖母様が激怒してしまった事で魔力が暴走してしまった。
別名竜の怒り。
エルフ族の長であるお祖母様の怒りは国一つ沈める事も簡単だった。
だけど妖精さんはお祖母様の前に出てしまった。
「妖精さん…」
「グレースの魔力を跳ね返しただと?」
お祖父様は唖然としていた。
エルフ族の中でも強い魔力を持つお祖母様の魔力を跳ね返せるのはエルフ族の中でも一番強い力を持つ地の精霊と森の守護神様と賢者様ぐらいだ。
「グレースの魔力を鎮めるなどありえない」
「でも、静かになって行くわ」
「ああ」
妖精は基本、精霊を抑え込むような魔力はない。
だけど強い力を持つ精霊並みの妖精は別格だったのだけど。
妖精さんは妖精王なのかしら?
いいえ、きっとそうだわ。
「お祖父様!私妖精さんを国にお連れしたいです!」
「いや、それは無理であろう」
「じゃあ、私は妖精さんに嫁ぎたいです」
「もっと無理だ」
これは運命よ。
きっと女神様は私と妖精さんを連れ合わせるべく運命の赤い糸を結ばせてくれたのだわ!
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