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第六章
9.不和~マリアンヌside
しおりを挟む私の作戦は成功だった。
あの皇女に恥をかかせるべく、妨害工作を行い。
荷物は届かないようにして馬車も事故に見せかけて馬車の車輪に細工をさせた。
お金さえ払えば何でもしてくれる商会に依頼したから私が仕組んだとバレる事はない。
後はケーキに使う材料をすり替えす為にイズラに命じた。
噂ではお菓子をパンに変更するらしいけど、馬鹿だわ。
パンなんてその辺で売っているし素人が作ったパンなんて買うわけがない。
おかげで私達のクラスのお店は繁盛していた。
私が仕切ったおかげよ。
「早く次のケーキを用意して」
「待って、まだショーケースにはケーキが」
「それは捨てるわ。売れないし」
新しいケーキを並べるようにクラスの女子に命じるも、動こうとしない。
「それから、もう少しマシな客を呼び込み出来ないの?私の沽券に関わるわ」
「でも…あの方は私の恩師で」
「あんな気品の欠片もない貧乏学者はその辺で焼き鳥でも食べてればいいのよ。この店に足を運ぶなんて身の程知らずだわ。あんな汚い恰好で来るなんて」
「そんな酷い!」
本当の事を言われて泣くなんて鬱陶しいわ。
「事実でしょうに。泣いて何でも叶うとは思うなど貴女は馬鹿ですか」
「ちょっと!いくら何でも酷いわ」
イズラが私に賛同するもクラス委員の女子が噛みつく。
「さっきも折角来てくださった卒業生の方を追い出したり、お店に置いているお菓子を買おうとしているお客様の手を扇で叩くなんて」
「それにさっきのご老人にも…」
あの汚らしい老害の事を言っているのかしら?
態々私が率先して追い出してやったのに、お礼を言われてしかるべきなのに。
何なのその態度。
「いくら何でもやり過ぎだわ」
「そうよ。貴女だけの出し物じゃないわ。それに今日のケーキは」
「私の言う通りにしていればいいのよ!逆らうなら家がどうなってもいいの?伯爵令嬢如きが格上の公爵令嬢の私に逆らう気?」
「なっ…」
学園内ではランク付けになっていても、お父様に頼んで家自体を没落させることぐらい簡単だわ。
「学園内で権力を振りかざすなんて最低だわ」
「エリーゼ様はそんな事絶対にしないのに」
「しないんじゃなくてできないんのよ。だって無能だし」
何を今さらな事を言うのか。
あの女はそんな権力も人脈もないわ。
いくら生徒会のメンバーに媚びを売っていても誰も従わない。
それだけ価値がないからよ。
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