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第五章

6.清の国

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かつて、地上ができる前の事。
最初の神様は獣の姿をした神獣と呼ばれた存在だった。


東西南北を守護する獣。
彼等はこの世界の全てを見守る神であり、四神と呼ばれていた。


清の国ではその昔、四神が従う中央の神。

黄金の龍と呼ばれた黄龍に仕えていた。
黄龍の命令により地上を収め、東西南北を守護し、常に人間を関していたとも聞かされる。


その中で鳳凰、別名朱雀は炎を身に纏うことから誕生と終焉を意味している。

かつて天の神様は地上を作る為にまずは地の神に土台を作らせ、水の神に恵みの雨を降らせた後に、火の神に大地を燃やさせ、空気を巡らせる為に風の神を使わせた。


四大元素はこうして成り立ったというのは四神伝説だった。
その四神を従えるのが黄龍と呼ばれ、東洋では竜を龍と呼び、神様と崇めている。


清の国の皇族や王族は神獣より強い新規を与えられると言われている。
彼は自然の声が聞こえ、神獣のお告げを聞くことができると言われているが、今では神の声を聞く事は難しいらしい。




「ですが、南帝国の先代皇帝陛下、すなわち上皇様は未だにその力をお持ちなのです」

「へー…」

「他人事のように言わないでください」

「南帝国の上皇様がすごいのは解ったけど、私には関係ないんじゃない?」


きっとお父様が外交をしているからそれで贈り物をくださったのよ。


「この手紙を良くご覧ください」

「ん?私の白百合へ」


「そうです!どう見ても…」

「マリアンヌは百合ってタイプじゃないんだけど」


他国の王族や皇族の中では妙齢の令嬢や、幼い令嬢に親愛を込める時に華とする事が多い。

好意を持っている時は薔薇の君なんて気障な事を言う事も。


「上皇陛下はロマンチックね」

「お嬢様…どうしてこうもう鈍感なんです。普段は鋭いのに」

「え?」


ハンカチを取り出し涙を流すランはどうしたのか。

「私の故郷では王族、皇族が好意を持って花の名前、特に牡丹、百合等を呼ぶのは敬意を持つ意味と。特別な意味を持っているんです」

「そうなの?」

「我が東帝国では、花をいただいた女性は後の皇后陛下となりました」

「嘘!」


じゃあ、何か!
マリアンヌは南帝国の上皇様を射止めてしまったと?


「うわぁ、すごい事になったね」

「ええ」

「でもマリアンヌは玉の輿だね」

「ですから!ちゃんと宛名をしっかり見てください。お嬢様の名前が刻まれてます!」


テーブルに手紙を叩きつけるランは興奮して肩で息をしていた。


「あ、本当だ」

「何故こんな事になっているんですか!」


私もさっぱり意味が解らない。


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