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第四章

33.企画

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急いで企画書を考え、案件を出す事にした。


「リゼ、これは」

「今度の学園祭の企画です。タイトルは世界の芸術と美食です!」

生徒会副会長であるエカテリーナ様に案件として提出したのは、学園祭の為の企画の目玉だった。
傍にロニー様もいるけど、この際二人に見てもらおうと思った。


「食と芸術は万国共通です。しかも我が校には地方出身者が多いならば、多くの料理を出せます」

「喫茶を開くのですか?」

「予算が御座いますのよ?料理人を呼ぶにしても…」

「外部から料理人を雇いません。在学生にしていただきますので」

「「は?」」

喫茶を催すならば、料理人を雇い。
他にも大工ギルドに手を借りなくてはならないが、もし学生の手で作ったとすれば予算を削減できる。

「我が校には優秀な生徒が多く、宮廷料理人を目指す者、宮廷建築士を目指す者も少なくありません。特に地方出身者の方の中には現役ギルドをしている方も」


「確かに、それならば予算が省けますが」

「しかし、一般参加や貴族の方を招くのですよ!万一の事が」

エカテリーナ様の言い分は最もだ。
学園祭で何かあっては問題が起きた時に火元責任者になるのは生徒会の責任者だ。


「私の傍付きの侍女は衛生管理の国家資格も持っています。何より学生が表立って行うことはアピールポイントになりませんか?大人がしても印象は薄い…意外性と、彼等の可能性を広げたいんです」

「ですが…」

学園祭というのは学生の手で作るべきだわ。
前世でも生徒が企画を行い、自主性を育んでいたのだから。


「我が校は生徒でもここまでさせてくれる…生徒の可能性を学園はここまで支援してくれると他国に知っていただけば五年後、十年後はどうでしょう」

「エリーゼ様…貴女はそこまで!」

「確かに先を見越しているのであれば、学園長を説得できるかもしれない」


あくまで国の未来の為を念押しにすればエカテリーナ様の考え方を変えてくれる。
生徒の自主性や、協調性に各々の能力を上げる事こそエカテリーナ様の理想とする国造りができる。


「警備も生徒にお願いします。騎士科の中でも優秀な生徒に指揮を頼み、新入生に補佐を任せます」

「来客の貴族にアピールするんですね」

「予算を余らせ、その費用で生徒を表彰したいと思います。クラス別の最優秀賞と、優秀賞。そして個人で活躍した生徒も同様に」



これも私の前世での知識だ。
競わせる方がやりがいもあるし、賞品を与えた方が必死でしてくれるはず。

「エカテリーナ、多少のリスクはあれど。やる価値がある」

「私もそう思いますわ。普段からボケボケしている癖に、なんて発想なのかしら」

「まぁまぁ…採用ということで」


こうして私の企画は受け入れられることになった。


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