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第四章
11.サロンでの告白
しおりを挟む学園内にあるサロンは卒業生が利用したり、学園関係者が良く利用している。
落ち着いた共用スペースにてお茶を飲みながら読書をしたり。
互いに芸術や政治の話をする場としても使われているが、情報の交換も活発にできる。
そして男女の交流の場でもあったりする。
「新しいクラスはどうだ」
「はい、一年の時の持ち上がりなので」
クラスはほぼ変わらなかった。
ただ変わった事と言えば、ロニー様とエカテリーナ様も同じクラスになった事だろうか。
「聞けばあの二人も同じクラスになったとか」
「ええ」
「荒れそうだな。特に彼女が」
ロミオ様はなかりの心配性だ。
別に荒れることはないだろうけど、外野が騒がしそうなのは否めない。
「でも、エカテリーナ様は生徒会副会長に就任なさることになりましたし。お忙しいかと」
「生徒会長がリオネルとは…恐ろしいな」
「幹部が優秀なら長はどっしり構えられる方の方がよろしいのでは?前任者と同じく」
なんせ昨年の生徒会会長がロベルト様だったし。
「その裏で苦労はしたがな…だが、利用されることはなかった。何故なら彼等は人の話を聞かないからな」
うん、普通の貴族令息では話が通じないかもしれない。
最初に聞き手に周り、共感しないと彼等と付き合うのは難しいのだから。
でも、それさえすれば問題なのだけど。
「あの二人の波長に合わせる事が出来たら、どんな気難しい大臣も手懐けられるぞ」
「上司が大変なんですね」
「実質俺の主君はロベルトだからな。スザンヌもセットだからな」
学園を卒業した後、ロベルト様とスザンヌ様は正式に婚約された。
在学中から二人は仲が良くパートナーとしても文句なしだったし、私もなんとなく察していた。
「あの二人が結婚したら、もっと苦労が増える」
「その代わり、王家に手を出せなくなりますね。スザンヌ様は高位貴族の中でも才女謡われ、並行して数多の魔道具の研究をしておられる方です」
「ああ、魔女兼科学者だ」
社交界でも彼女を無視できる令嬢はいない。
頭脳明晰、容姿鍛錬と才色兼備という言葉がこれ程に合う女性はいないわ。
「尚且つ、他人に左右されないので利用されることはありません」
「彼女を利用なんて命知らずだ」
「では、ロベルト様が立太子されたらスザンヌ様は王太子妃と言う事になりますね」
「笑い事じゃないぞ!そうなったら俺と君は一生苦労する」
でも、ロベルト殿下が立太子する可能性は低そうだ。
彼は重度のブラコンで、彼が公務を真面目にしているのも弟君を守る為でもある。
彼は王にはならないしなれないのかもしれない。
「エリーゼ、君は…どう思っているんだ」
「はい?」
「実は今日君を呼んだのは、君に渡したい物があるだ」
テーブルの上に置かれたのは青いリボンで結ばれた箱だった。
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