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第四章
3.アドリブ
しおりを挟む普段から大勢で何かを発表する機会なんてない。
まずい緊張して来た。
何を言ったらいいんだっけ?
最初の挨拶は!
頭の中が真っ白になった私は。
バァン!
演台を叩いてしまった。
そしてもう、スピーチの内容は頭から抜け落ちていた。
「入学おめでとう!この日を迎えられた事を心からお祝い申し上げます。ですが、今日から皆さんが待っているのは楽しい学園生活だけではありません」
私の言葉に在校生もは?というような声を上げた。
「この学園ではみな平等。身分制とはランク付けにより決まります。よって下剋上ができる唯一の場所でもあります。故に、学園での評価が低ければ地獄の三年間が皆さんを持っているでしょう」
私は気にせず言いたいことを述べた。
祝いの言葉は最初に言ったから後は簡潔に言おう。
「学園生活では勉強三昧、テスト三昧、訓練三昧の日々が皆さんを待っています。試験を落とせば落第留年は当たり前の厳しさが待っており…」
「今すぐ幕を…もが!」
横で生徒会実行委員と放送部が急いで幕を閉じようとする声が聞こえたがお構いなしに話す。
「学園での生活態度も重要です。ですがこの難点をクリアすれば、卒業後は皆さんの輝かしい未来が待っています。例えは辺境地からいらした三列目の貴女」
「え?」
「考えてみてください。貴女が優秀な成績を残して卒業後に王宮の文官秘書になればどうなるでしょう?貴女の領地に関心が行くのではないでしょうか?こんなに素晴らしい人材を育成した生徒をもっと学園に、王都にと」
「どうして解ったんですか」
「次に斜め後ろに座席に座る知的な君」
「え?僕!」
私は顔を見ながら笑顔でスピーチを繰り返した。
「貿易が盛んな領地からいらした優秀な生徒さんが我が校で功績を上げ、後に外交官になれば中央はどう評価するでしょうか?皆さん想像してみてください…自分の努力一つで人生が変わるだけでなく他の人の人生も明るい未来に導くこともできるのです」
「「「おおお!」」」
新入生は乗って来たな。
うんうん、いい感じじゃないか?
「ですので、これから三年間。切磋琢磨して得意分野を磨いて国の為、家族の為、そして何より自分の為に頑張ってください。皆さんの可能性がこの学園で花開く事を心から応援し、また支援させていただきく思います」
「「「ワァァァ!!」」」
なんとか上手く纏められたようで良かったと思ったが。
「意義あり!」
無事に終わったと思った瞬間に誰かに阻まれてしまった。
「そんな絵空事、ありえないですわ」
私の言葉をまるで夢物語だと異論を唱えたのは。
マリアンヌだった。
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