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第四章

2.入学式

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今年も沢山の新入生が入った。

新入生の席を見ると昨年の事を思い出す。


「初々しいな。本当に」

「孫の成長を喜ぶ婆さんですか。一年しか過ぎてませんよ」

「いいじゃないか。僕も二年生になれて良かった」

「そうですね!」


エカテリーナ様同様に清々しい程に切り替えが早い。
ロナウド様が絡んだ時だけだが。


生徒会幹部は去年の面子からエカテリーナ様が追加となった。
既に白銀Sランクを得ている中でもエカテリーナ様の有能さは学園の誰もが知るのだ。


人には得手不得手があるけど、エカテリーナ様にはその言葉が通用しない気がする。

他の生徒会幹部も苦手な者はある。
学年首席であるサーシャでも文系は苦手なのだけどエカテリーナ様は全ての成績に関して完璧にこなしていた。

未だにが閣下試験だけならばスコットに勝てないが、二点の差だった。
春休み明けの試験でも成績は二点しか差はなかった。

ただ魔力に関してはサーシャに勝てなかったので総合成績はサーシャが一位で、今年も首席をキープしている。


私と言えば成績は成績をキープ。
学年五位という微妙な立場をキープしている。

女子の中では三位になれたが、現実は厳しい。


努力だけではどうにもならない物がある。


だけど、努力しなかったらここまでこれなかった気がする。



「それではここで白金より新入生に挨拶をしていただく」


――私の出番だ!


急いで壇上に立ち、スピーチのカンペを取り出すも。


カンペがなかった。


ふと視線の先にヒラヒラ舞う紙が。


『エリーゼ様…どうしたんですか』

一番壇上近くに座っていたジュリア様に声をかけっれるも私の視線を見て気づく。


『もしや…』

『スピーチの内容を書いたメモを落としたわ』


私の言葉を聞きジュリア様は眉を顰めた。
ここで私が何も話さないとなると大問題になるが、スピーチで失言をすれば後から大問題となる。


『エリーゼ様、この際仕方ありませんわ』

『え?』

『お祝いの言葉を最初に伝え、余計な事は言わずに笑顔で彼の活躍を応援する言葉を言ってくださいませ。万一失言をしそうになったら即フォローできるようにいたしますわ』

『ジュリア様ぁー…』

ああ、なんて優しいのだろう。
私の所為で色々と予定が狂ってしまったのに。


『どうせ、何か起きるとは思ってましたし』

『そーですか…』


一瞬感動したのに。
泡となって消えてしまったわ。


とにかく今は挨拶をするのが先よ。

ええい!ままよ!
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