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第三章
7.賛美の理由
しおりを挟む卒業までに銅からランク上げすることができればと思ったのだけど。
「ねぇ、おかしくない」
「いいえ、当然の結果です」
「どう見てもおかしいわ!」
ランク上げされた私は現在銀ランクを頂きました。
それは良かったのだけど、制服のリボンのデザインがおかしい。
「ねぇ?何でいきなり銀ランクの一番上なの?」
「当然ですよ」
「ロニー様?」
背後から声をかけたたのはロナウド様だった。
「夏休みの自由研究とは別に君個人で考案した案件がありましたでしょう?」
「はい」
「その案件が斬新かつ合理的で、国の利益になると判断されました。学園長も貴方の物を生み出す才能は評価に値するとおっしゃられたので正当な評価をされたのです」
「はぁ…」
私が個人的に案を出したのはあれか!
サーシャの家で食事をした時に使いにくいフォークを使いやすくする案。
それに並行して私は握りやすい介護用のスプーンとフォークを提案したのだけど。
「曲がるスプーン。実に美しい出来栄えだ友好国のアスペル帝国の先帝陛下がお気に召されたそうです」
「は?」
「あのような美しく曲がったスプーンを宮廷に飾りたいと申されまして」
介護スプーンを飾るの?
ないだろ!
「食事に使われた時も大変使いやすく、常に持ち歩きたいと仰せになられ。皇后陛下も曲がるスプーンのブランドを作りたいと」
なんて独特な感性を持っているの!
「考えたのが我が校の学生であると話した所、大変感心されまして」
「はは…」
まさかこんな大それた話になるとは。
フォークの先端を少し変えて、コストは少しかかるけど品質改善を行っただけなんだけどな。
ちなみに試作品をとして提出したのはフォークとナイフとスプーンのセットだ。
「そしてもう一つあります」
「もう一つ?」
「はい、グループ研究で困窮している領地を救うべく率先して行った行為です」
「え?」
そっちの方はほとんど何もしてないんだけど。
あくまで現場監督をしたぐらいだ。
「現在、荒れている領地は多くあり、手が出せない状況でした。しかし学生達の勉強として行った事で貴族としてのノブレスオブリージュを実行したのは貴女だけです。これは勲章を与えてもおかしくないと」
「いえ、ほとんどロミオ様とサーシャ達が率先してくれまして」
「現場監督は君だと言うではありませんか。役割を決めたのは」
誰が何を担当するかで少し揉めたので私が意見を出したら、最終的に納得してくれたのよね。
「後から調べましたが、全て計算されていました。魔力の属性をしっかり理解した上で、采配を振るわれた。素晴らしい事です」
思いっきり勘違いが悪化している!
生徒会の皆さんが恐ろしい程魔力を持っており優秀だっただけなのに!
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