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第三章

4.天罰~マリアンヌside

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私があんな呪われた一族に嫁ぐ?

「何を言っているのお母様、私は…」

「本当はクレセント公爵家の跡継ぎにと考えていたのだけど。幸いも母もエリーゼが生んだ子供のうち一人を養子にと言ってくれているから安心だわ」

「私は…」


お姉様がクレセント公爵けの跡継ぎ候補なんてありえないでしょ?


私じゃないの?


「マリアンヌは領主になるのは嫌だと言うし、無理強いはしたくないので断って置いたわ」

「私はそんなことを言ってません」

「けれど領地に行くのを嫌がっていたでしょ?姉も母もマリアンヌんは向いていないと言っていたし」


確かに私はあの二人とは相容れない。
でも、公爵家を継承したくないなんて一言も言ってないわ。


「旦那様が向き不向きがあると言っていたし、マリアンヌは貴族の奥様として姑様にお仕えするのよ。スティアート家は名家だし、今後は…」

「嫌よ!絶対に嫌!」

「エリーゼ?」


どうして笑っていられるの?
お母様は私を愛していないの?

「お母様、酷いわ。あんな家に…格下の家に!」

「マリアンヌ?」

「私は…絶対に嫌よ!」


どうしてお姉様なの?
ロベルト殿下には私が相応しいはずなのに。



「エリーゼ、今度、勝負をしよう。私と君でどっちが馬の扱いが上手いか」

「勝負になりませんわ」

「どうだろうか?君は乗馬の腕が素晴らしいのは知っている」


客間で楽しそうに話している二人。
私の時はあんなに優しい表情を向けてくださったことないのに。


「約束だ」

「はい」


お姉様ばかりどうして?

友人も社交界の奥様達も私の方が優れていると言ってくれるわ。


公爵家の出来損ないのお姉様がどうして愛されるの?


私が誰よりも愛されて当然なのに。


そうよ、お姉様がすべて悪いのよ。
長女でありながら出来損ないなのに、同情を引いているのが。


だから私は少しだけ意地悪をした。


馬に少しだけ細工をした。


少しだけ恥をかかせてやろうと思った。


だけど、暴れた馬がお姉様を蹴り。
重傷を負ってしまったお姉様は運び込まれた。



「エリーゼ!エリーゼ!」

「姉様ぁ!」

「お義姉様!」


ぐったりとするお姉様を見て家族は悲鳴を上げた。

私はそのまま動けないでいた。


私は悪くないわ。

そうよ…これは裁きを受けたのだわ。

自分で言い聞かせた。
私は少し意地悪をして落馬でもして顔に傷ができればいいと思ったの。

死んでほしいなんて思ってない。

だけど、天は私に味方をした。


「申し訳ありません、この度の婚約は…」

「いいえ、仕方ない事です」


お姉様が傷物になった所為で内々に婚約が解消になったが私はその噂を広めた。
あくまで婚約者候補だったが傷物になってしまい婚約破棄になったと。

そうすれば――。


私は本当の役立たずになったお姉様をあの伯爵家に身代わりに嫁がせればいいと思った。

それで私はロベルト殿下の婚約者になり王太子妃になると思った。


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