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間章
7.情報の共有
しおりを挟む静まり返る中、事情を知らないサーシャとスコットは視線を向ける。
「ああ、お前達は知らなかったな」
「エリーゼ、二人に話しても?」
「私はいいのですが、お茶がまずくなりますし」
正直、サーシャに話すのはどうかと思った。
スコットも口は悪いけど根は優しいからきっと、怒るだろう。
「僕に隠し事とは良い度胸ですね?師を敬わないとは」
「いや、何時からそうなったの!」
「僕は貴女の先生ですので。さぁなんでも言いなさい。僕はこれでも柔軟性はあるんです」
どの口を言うか!
普段から視野が狭く、神経質な男が何を言うか。
「いいけど、驚かないでね?それから怒らないでよ」
「フッ、ここまで来て怒ると?」
「私も大丈夫です」
そう思ったのも束の間。
「何を考えているんです!あの歩き非常識は!」
「酷い…酷すぎます!」
約束は五分も持たなかった。
「だから言ったんですよ。こうなると思いました」
私は言わなければ良かったと思った。
「スコット、騒ぐな。煩い」
「もごお!」
「スザンヌ。これも入れろ」
悪乗りしないでくださいロベルト様!
「噂には聞いていましたわ。ですが婚約者を入れ替えしろ?ありえませんわ」
「ジュリアもか?俺も半信半疑だった…まさか当初は妹君が婚約者候補だったのか?しかしロミオは幼少期から君にぞっこんだったんだがな」
「はい?」
いや、その噂は色々捏造されている気がするんだけど。
「勿論ですわ!お兄様とお義姉様は運命の赤い糸で結ばれていますのよ!」
「シルビア、少し黙ろうか」
これ以上噂を大きくしないで!
「私も存じておりますわ。王都の噂は知りませんが、我が領地でもロミオ様がエリーゼ様を好いている事噂は流れています」
「はい?」
「うむ、俺もロミオが元老院にエリーゼを欲しいと勝負を挑んでいたのは知っているぞ」
「嘘…」
辺境地等では既にロミオ様の行動は筒抜けだったなんて。
「ロマンスとしても語られてますのよ?宰相閣下同様に、愛し人を得る為に陛下に挑んだ方ですもの」
「いや…私の時とは違う気が」
「まぁ宰相閣下は数年の歳月を有しましたが」
そういえばユアン様はサブリナ様との結婚を認めてもら為に宰相まで上り詰めて地位を得たとか。
「ロミオも死ぬ気で頑張っていたからな」
「当然だ。エリーゼを手に入れる為ならどんな努力も惜しまない」
「あっ…あの」
またしても気障な台詞を真顔で言うのは止めて欲しい。
本人は自覚が無いから余計にしんどいのだけどね!
「僕達の存在を忘れて、破廉恥な…って、何をメモっているんですかジュリアさん!」
「生のロマンスですわ…書き留めなくては」
「ははっ、絵にかいたような光景だな!」
呑気に笑っていないでジュリア様の暴走を止めてください。
私の過去の事件から話が反れてしまっているのだけど、誰か突っ込んでくれ!
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